ライカミング T53

ライカミング T53シリーズの概要

ライカミング T53（英語: Lycoming T53）は、アメリカのライカミング・エンジンズにより開発されたターボシャフトおよびターボプロップエンジンのシリーズです。現在、このエンジンはハネウェル・エアロスペースの製品として提供されています。このエンジンの開発は1952年に始まり、当時の技術者アンゼルム・フランツ博士がその中心となって進められました。初の試作機は1955年に完成し、その後1958年には量産機が登場しました。

エンジンの構造は、5段の軸流式圧縮機と1段の遠心式圧縮機で構成されています。この設計により、高い効率でパワフルな出力を持つように設計されており、様々な航空機に搭載可能です。

バリエーション

T-53-L-1/5/9/11

このシリーズの初期モデルは825 hp（615 kW）から1,100 shp（820 kW）の出力を誇ります。民間バージョンとしては、T5309、T5311、T5317の名称が与えられています。中でも、1962年には最終発達型の-11が登場し、海外でもライセンス生産が行われました。日本の川崎重工業、ドイツのKHD社、イタリアのピアジオ社などで製造され、国際的にも著名なエンジンとなっています。

T-53-L-13

1966年から生産が始まったこの改良型は、出力が1,400 hp（1,044 kW）に向上しました。このモデルはT5313という商業型も持ち、ターボプロップ型の-15もこの系列から派生しています。

T-53-L-701

ターボプロップ型の改良版で、出力は-15型と同じ1,400 hp（1,044 kW）ですが、電子制御が導入された点が特徴です。この改良により、エンジンの運用がさらに効率的になっています。

T-53-L-703

• -13型を基にしたこのモデルは、出力が1,800 hp（1,342 kW）に強化されており、UH-1HP ヒューイ-IIにおけるセールスとしても知られています。民間バージョンではT5317Bとして販売されています。また、これには-13から-703への転換キットも用意されています。

なお、ライカミング T53シリーズの姉妹機として、より大きく強力なライカミング T55も存在します。これは、さまざまな航空機に利用され、特にミリタリー用途での評価も高いエンジンです。

機種への搭載

ライカミング T53は、数多くのヘリコプターや航空機に搭載されています。この柔軟性と高い出力から、航空機のエンジンとして大きな人気を誇っています。特に、軍用および民間の両方で広く使用されており、多くの航空機のパフォーマンスを向上させています。

ライカミング T53シリーズは、その革新的な設計と信頼性から、航空エンジンの中でも特に注目される存在となっています。

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