ライトニング (照準ポッド)

ライトニング（LITENING）照準ポッド

ライトニング（LITENING）は、イスラエルの防衛企業ラファエル社によって設計された高度な照準ポッドであり、アメリカ合衆国ではAN/AAQ-28という型番で制式化されています。この照準ポッドは、夜間にも対応可能なさまざまな機能を備え、航空作戦における精密誘導を支援するために開発されました。

概要

このポッドは、従来のLANTIRN照準ポッドであるAN/AAQ-14の機能を基盤にし、赤外線前方監視機能（FLIR）を追加することにより、コックピットのHUDに赤外線映像を重ねて表示し、夜間の飛行および目標の識別を支援します。ただし、AN/AAQ-13の地形追従レーダー機能は含まれていないため、地形追従機能や自動操縦による低空飛行は実装されていません。レーザー誘導兵器の運用にはこのポッド単独でも十分ですが、必要に応じてAN/AAQ-13と併用されることがあります。

ポッドは左後方に冷却空気用の吸気口を持ち、さまざまな機能を統合しています。レーザー目標指示装置を備えており、GPS座標を用いたGPS誘導兵器の運用も可能です。また、赤外線前方監視機能や狭視野・広視野のCCDテレビセンサー、レーザー測距装置により、パッシブ式の空対空探知・追尾機能を持ち合わせています。ROVERデータリンクを搭載することで、地上部隊への映像や画像の送信も実現しています。

さらに、モジュール性や設計の最適化により、メンテナンス性も高く、機材の交換が容易です。特に自動組込テスト機能により、列線交換ユニットを20分以内に交換し、迅速にフルミッション状態に戻すことができます。

開発経緯と機能改良

初めはイスラエルのF-15IおよびF-16C/D向けにFLIR装置として開発されましたが、1995年以降はノースロップ・グラマンとの提携により、さらなる改良と国際的なマーケティングを推進し、世界各国で広く利用されています。現在では、LANTIRNのAN/AAQ-14の後継機種として位置付けられることが多いです。

型式

• - ライトニング I: 解像度は320×256ピクセルで、1990年代後半に運用を開始。
• - ライトニング II: 解像度640×480ピクセルのFLIRを搭載し、さらなる機能向上が図られました。
• - ライトニング III: イギリスのウルトラエレクトロニクスによって生産され、デジタルセンサーなどが追加されました。
• - ライトニング ER: 640×512ピクセルのFLIRに改良され、目標の探知能力が強化されています。
• - ライトニング G4: 存在するすべての機材をデジタル化し、性能向上を図っています。
• - ライトニング 5: 最新鋭のセンサーとデータリンク機能を備えています。

先進機能

中でも、ライトニング5では1.2K×1.2Kの高解像度センサーを搭載し、完全な全天候運用能力を持つことが特徴です。また、データリンク機能も強化され、情報共有を効率的に行うことが可能となっています。

現在の運用

ライトニングシリーズは、アメリカ、イスラエル、イギリスを含む多くの国で採用されています。アメリカ空軍のA-10やF-15、F-16など、様々な航空機に搭載されており、近代的な攻撃任務に対応しています。他国でもトーネードやユーロファイター・タイフーン等の機体に装備され、国際的に広く使用されています。

最終的には、F-35に搭載する新たな照準システムとして、ライトニングG4を基にした開発が検討されており、今後もさらなる進化が期待されます。

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