ライヴ・ブートレッグ

『ライヴ・ブートレッグ』（Live! Bootleg）は、エアロスミスが1978年に発表した初のライブ・アルバムです。バンドの歴史を語る上で欠かせない重要な作品であり、彼らのライブパフォーマンスの魅力を存分に味わうことができます。

このアルバムは、1977年から1978年にかけて行われたアメリカ・ツアーの音源を中心に構成されています。当時のエアロスミスの勢いを肌で感じられる、臨場感あふれる演奏が満載です。また、デビュー初期のボストンでの貴重なライブ音源も収録されており、ヤードバーズのカバー「アイ・エイント・ガット・ユー」や、ジェームス・ブラウンの「マザー・ポップコーン」といった楽曲は、初期のエアロスミスのルーツを垣間見ることができます。

アルバムのライナーノーツには、各曲についてメンバー自身による短いコメントと、公演日・公演地が詳細に記載されており、より深くアルバムの世界観に浸ることができます。彼らの音楽に対する情熱や、ライブパフォーマンスへのこだわりが伝わってくるでしょう。

収録曲の中には、ビートルズのカバー「カム・トゥゲザー」のスタジオ・バージョンも含まれています。この曲は、エアロスミスが出演した映画『サージャント・ペッパー』のサウンドトラックに提供されたもので、シングルとしてもリリースされ、全米23位を記録しました。また、リチャード・スパ作の「チップ・アウェイ・ザ・ストーン」は、当初スタジオ・アルバムには未収録でしたが、シングルとして発表されると全米77位に達し、後にコンピレーション・アルバム『ジェムズ』（1989年）で初めてスタジオ・バージョンが収録されました。

アルバム全体を通して、エアロスミスの多様な音楽性と、ライブバンドとしての圧倒的な実力を堪能することができます。スティーヴン・タイラーのパワフルなボーカル、ジョー・ペリーのブルージーなギター、そしてバンド全体のグルーヴが一体となり、聴く者を熱狂の渦へと引き込みます。特に、「バック・イン・ザ・サドル」「スウィート・エモーション」「ウォーク・ディス・ウェイ」といった代表曲のライブバージョンは、スタジオ録音とは異なる、ライブならではのアレンジや熱気が加わり、新たな魅力を放っています。

『ライヴ・ブートレッグ』は、エアロスミスのファンはもちろん、ロック音楽を愛する全ての人にとって必聴のアルバムです。彼らの音楽の原点と、ライブパフォーマンスにかける情熱を感じることができる、貴重な1枚と言えるでしょう。

収録曲
バック・イン・ザ・サドル
スウィート・エモーション
支配者の女
闇夜のヘヴィ・ロック
ラスト・チャイルド
カム・トゥゲザー
ウォーク・ディス・ウェイ
シック・アズ・ア・ドッグ
ドリーム・オン
チップ・アウェイ・ザ・ストーン
サイト・フォー・ソア・アイズ
ママ・キン
エアロスミス、S.O.S.
アイ・エイント・ガット・ユー
マザー・ポップコーン
トレイン・ケプト・ア・ローリン / 夜のストレンジャー

参加ミュージシャン
スティーヴン・タイラー - ボーカル、ハーモニカ
ジョー・ペリー - ギター、ボーカル
ブラッド・ウィットフォード - ギター
トム・ハミルトン - ベース
ジョーイ・クレイマー - ドラムス、パーカッション
マーク・ラディス - キーボード、バッキング・ボーカル
* デヴィッド・ウッドフォード - サックス(on "Mother Popcorn")

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