ラウダ航空

ラウダ航空：伝説のF1ドライバーが設立した航空会社の軌跡

ラウダ航空は、かつてオーストリアに存在した航空会社です。その名は、往年のF1ドライバー、ニキ・ラウダによって1979年4月に設立されたことに由来します。ウィーン国際空港を拠点とし、ヨーロッパ、北アフリカ、カリブ海、東南アジアなど、世界各地のリゾート地へ向かう観光客輸送に特化した航空路線を展開していました。オーストリア航空グループの一員であり、スターアライアンスにも加盟していましたが、その独自のブランドとニキ・ラウダの名声により、国際的にも広く知られていました。

事業の拡大と悲劇

1985年にチャーター便の運航を開始したラウダ航空は、1987年には定期航空路線に進出。1989年には、バンコクを経由してシドニーやメルボルンへ向かう長距離路線の運航を開始するなど、着実に事業を拡大していきました。しかし、1991年にタイで発生したボーイング767型機の墜落事故は、同社の歴史に暗い影を落としました。

経営権の譲渡とブランドの変遷

事故後、ラウダ航空は一時的に経営を持ち直したものの、その後の投資の失敗などにより、経営権はオーストリア航空へと譲渡されました。2005年には定期航空路線がオーストリア航空に統合され、ボーイング777などの大型機材はオーストリア航空本体へ移管。ラウダ航空のブランドは、Austrian myHolidayとしてチャーター便の運航に用いられることとなりました。現在では、エアバスA320などの小型機材を使用して、チャーター便サービスを提供しています。

機材へのこだわり

ラウダ航空で使用されていた機材には、著名人の名前が愛称として付けられていたことも特徴的でした。例えば、ボーイング737-800型機にはジョージ・ハリスン（OE-LNP）、エアバスA320型機にはレイ・チャールズ（OE-LBQ）といった名前が使用されていました。これは、同社のユニークな企業文化を象徴するものであり、航空ファンからも注目を集めていました。

現在のラウダ航空

2008年1月時点でのラウダ航空の機材は以下の通りでした。

エアバスA320-200：2機
ボーイング737-600：1機
ボーイング737-700：2機
ボーイング737-800：7機

ラウダ航空は、その短い歴史の中で、成功と挫折、そして変遷を経験しました。ニキ・ラウダというカリスマ的な創業者によって設立され、独自の路線展開とサービスで一時代を築いた同社は、航空業界における記憶に残る存在として、今も語り継がれています。

関連項目

ニキ航空
ラウダ・エア・イタリー

外部リンク

* 公式HP

もう一度検索