ラウンドアバウト (曲)

「ラウンドアバウト」（Roundabout）は、1971年11月に発表された、イギリスのプログレッシブロックバンド、イエスの楽曲です。4枚目のスタジオアルバム『こわれもの』（Fragile）に収録されており、バンドの代表曲の一つとして広く知られています。

作詞はボーカリストのジョン・アンダーソン、作曲はギタリストのスティーヴ・ハウが担当しました。プロデュースはバンド自身とエディ・オフォードが共同で行っています。楽曲は、変拍子を多用した複雑な構成と、美しいメロディーラインが特徴です。特に、スティーヴ・ハウのアコースティックギターによるイントロは、非常に印象的で、多くの音楽ファンに愛されています。

歌詞の内容は、バンドがツアー中にスコットランドのアバディーンからグラスゴーへ移動する際、数多くのラウンドアバウト（環状交差点）を通過した経験が元になっています。旅の情景と、人生の巡り合わせを重ね合わせたような、深みのある歌詞世界が展開されています。

1972年11月には、シングルカットとしてアメリカでリリースされ、Billboard Hot 100で13位、キャッシュボックス誌では10位を記録するヒットとなりました。カップリングには「遥かなる想い出」（Long Distance Runaround）が収録されています。1973年には、アンダーソンとハウがこの楽曲でBMIアウォードを受賞し、その音楽的な評価を確固たるものとしました。

「ラウンドアバウト」は、メディアでの使用も多く、特に日本ではテレビアニメ「ジョジョの奇妙な冒険」の1stシーズン、および5thシーズン（原作Part6）の最終話のエンディングテーマ曲として使用され、幅広い層に認知されました。また、人気ゲーム「グランド・セフト・オートV」では、次世代機版とPC版のラジオ局で使用されており、新たなファン層の獲得にもつながっています。

プログレッシブロックの枠を超え、様々なメディアで愛され続けている「ラウンドアバウト」は、イエスの音楽性を象徴する重要な一曲であり、その普遍的な魅力は、時を経ても色褪せることはありません。

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