ラウンド&ラウンド

ニュー・オーダー「ラウンド・アンド・ラウンド」：多様なミックスと日本盤の魅力

1989年、ニュー・オーダーはアルバム『テクニーク』からのセカンドシングルとして「ラウンド・アンド・ラウンド」(Round & Round)をリリースしました。この曲は、アルバム収録とは異なる、プロデューサーのステファン・ヘイグとの共同作業による再レコーディングバージョンで発表されたことが特徴です。

イギリスではチャート最高21位と健闘しましたが、アメリカではクラブプレイチャートで1位を獲得するなど、世界的に人気を博しました。ファクトリー・レコードからリリースされ、カタログ番号はFAC 263です。

日本独自編集盤：多様なミックスを網羅

日本で1989年5月21日、日本コロムビアからリリースされた12cmCDシングルは、海外版とは異なる、日本独自の特別編集盤でした。12インチバージョン、クラブミックス、デトロイトミックスなど、様々なミックスバージョンを1枚に収録するという、ファンには嬉しい内容となっています。

さらに、アルバム未収録のインストゥルメンタル曲「ベスト&マッシュ」も収録。興味深いのは、日本盤では曲名が「Best & Mash」と表記されている点です。海外盤では「Best & Marsh」と表記されているため、表記の揺れが見られます。

海外では7インチ、12インチ、CDシングルなど、いくつかのバージョンがリリースされました。これらのシングルには、「ラウンド・アンド・ラウンド」の異なるミックスバージョンに加え、「ベスト&マッシュ」や「ヴァニッシング・ポイント」のインストゥルメンタルミックスなどが収録されています。しかし、これらの海外リリース版は日本では公式に発売されませんでした。

多彩な収録アルバム

「ラウンド・アンド・ラウンド」は、ニュー・オーダーの様々なベストアルバムにも収録されています。『ザ・ベスト・オブ・ニュー・オーダー』には新レコーディングの「'94ヴァージョン」が、『インターナショナル〜ザ・グレイテスト・ヒッツ』には7インチバージョンが収録されています。『レトロ』と『シングルズ』にはそれぞれ『テクニーク』収録のアルバムバージョンと7インチバージョンが収録されています。これらのアルバムを通じて、様々なバリエーションを楽しむことが可能です。

印象的なプロモーションビデオ

この曲のプロモーションビデオは、複数の若い女性のアップショットで構成されています。白人と黒人の女性が登場するバージョンに加え、「パティ」と呼ばれる女性（パティ・デ・シルバ）のみが登場するバージョンも存在します。これらの異なるバージョンは、ビデオクリップ集『A Collection』で確認できます。

まとめ

「ラウンド・アンド・ラウンド」は、その楽曲自体の人気だけでなく、様々なミックスバージョン、日本独自の編集盤、そして印象的なプロモーションビデオの存在によって、ニュー・オーダーのディスコグラフィの中でも重要な位置を占める一曲と言えるでしょう。様々なバージョンを聴き比べることで、楽曲の魅力をより深く理解することができるはずです。

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