ラウン山

ラウン山：ジャワ島の雄大な活火山

インドネシアのジャワ島東部、東ジャワ州に位置するラウン山は、活火山として知られています。その標高は約3332メートル、周辺では最も高い火山であり、その存在感は圧倒的です。直径2キロメートル、深さ500メートルにも及ぶ巨大なカルデラを有し、灰色を帯びた外輪山に囲まれています。外輪山の頂上部は植生に乏しく、山裾の豊かな緑とのコントラストが鮮やかです。

ラウン山のカルデラは、火山活動によって形成されたと考えられています。カルデラ周辺には、過去の噴火によって堆積した火山灰が厚く堆積し、農業に適した土壌となっています。しかし、利用可能な土地は限られています。ラウン山は、北東から南西に連なる成層[[火山]]の列の中央に位置し、北東にはスケット山、西側にはガドゥン山といった火山が隣接しています。

ラウン山は、バリ島北部からもその雄大な姿を望むことができます。登山に挑戦する際には、通常、東ジャワ州ボンドウォソ県側のスムベル・リンギンからアプローチします。登山道は険しく、通常は2泊3日の行程が必要とされます。標高2900メートル付近までは日帰り登山も可能ですが、山頂を目指すには、高所でのキャンプが不可欠です。

ラウン山の噴火の歴史は古く、記録に残る最初の噴火は1586年まで遡ります。この噴火では、多くの犠牲者が出たと伝えられています。その後も、1817年までに死者を出した噴火が5回記録されています。これらの噴火は、ラウン山の活発な火山活動を示す証拠と言えます。

ラウン山周辺の豊かな生態系は、国際的にも注目されており、2016年には、イジェン山、アラス・プルウォ国立公園、バルラン国立公園、ムル・ブティリ国立公園などと共に、ユネスコの生物圏保護区に指定されました。このことは、ラウン山の自然環境の重要性を示すものです。

2015年の大噴火とその後

2015年6月、ラウン山では火山活動が活発化し、6月29日には噴煙が噴出し始めました。カルデラから3キロメートル以内の住民には避難勧告が出され、近隣のバリ島では航空機の運航に大きな影響が出ました。

7月には、ランドサットの衛星画像によって、カルデラ内に新たな溶岩プールが確認されました。これは、大規模な噴火が差し迫っている兆候とは異なり、噴火活動が一時的に抑制されていることを示唆していました。しかし、7月9日からは、ラマダン明けの祝祭日であるイド・アル＝フィトルの最中に、バリ島やスラバヤなどの空港が、火山灰の影響で閉鎖される事態となりました。

爆発的な火山灰の噴出は、8月14日午後になってようやく収まりました。これにより、2015年のラウン山噴火活動は、おおむね終息したと判断されました。この噴火は、ラウン山の潜在的な危険性を改めて認識させる出来事となりました。

まとめ

ラウン山は、インドネシアのジャワ島を代表する活火山であり、その雄大な姿と豊かな自然、そして潜在的な危険性を併せ持っています。ユネスコの生物圏保護区にも指定されており、その自然環境の保全が重要な課題となっています。登山に挑戦する際には、十分な準備と計画が必要不可欠です。また、火山活動の状況を常に把握し、安全に配慮した行動をとることが重要です。

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