ラエ・ジュスラン賞

ラエ・ジュスラン賞：フランス障害競走界の最高峰

ラエ・ジュスラン賞は、フランスのオートゥイユ競馬場で毎年11月に開催される、名実ともにフランス障害競走の頂点を極めるG1競走です。5歳以上の競走馬が出走を許され、息を呑むような長距離5500mのレースは、23個の固定障害物を乗り越える技術とスタミナが試される、まさに馬と騎手の総合力が問われる一大イベントとなっています。

歴史と伝統

1880年に「クルワ・ド・ベルニ賞」として創設されたこの競走は、当初6000mの長丁場でした。その後、幾度かの距離変更を経て、1903年に現在の名称「ラエ・ジュスラン賞」へと改名されました。これは、フランス障害競走協会の設立メンバーにして理事長でもあったエドモン・ド・ラエ・ジュスラン氏への追悼の意を表したものです。同氏は1903年1月に急逝したと伝えられています。

第一次世界大戦と第二次世界大戦による中断期間もありましたが、長い歴史の中で、数々の名馬がその栄光を競い合ってきました。競走距離も幾度となく変更され、1941年に現在の5500mに落ち着いたのです。

アルカポネIIの伝説

ラエ・ジュスラン賞の歴史において、決して無視できないのが、伝説的名馬アルカポネIIの存在です。この馬は1993年から1999年まで7連覇という驚異的な記録を達成し、その名を歴史に刻み込みました。兄弟にあたるザフェローも1990年に優勝しており、この兄弟の活躍は、競走の歴史に大きな彩りを添えています。

パリ大障害との関係

フランスの障害競走界には、春に開催されるパリ大障害というもう一つの最高峰の競走が存在します。ラエ・ジュスラン賞とパリ大障害の両方を制覇した馬は、アルカポネIIとザフェローを含めて、現在までに22頭います。この偉業を達成した競走馬は、まさにフランス障害競走史におけるレジェンドとして語り継がれているのです。

競走の概要

ラエ・ジュスラン賞は、賞金総額50万ユーロという、その規模からもG1競走としての価値の高さが伺えます。負担重量は、5歳馬が65kg、6歳以上が67kgで、牝馬は2kgの減量が適用されます。秋の長距離チェイスとして、フランス障害競走界においては、春の「パリ大障害」と並んで最も重要なレースの一つに数えられています。

5500mという長距離に、23個の固定障害という難所が待ち構えているこの競走は、まさに馬と騎手の究極の挑戦と言えるでしょう。毎年、世界中から注目を集め、手に汗握る展開と、勝者への栄光が、多くの競馬ファンを魅了し続けています。

まとめ

ラエ・ジュスラン賞は、歴史と伝統、そして最高峰の競走馬たちが競う、フランス障害競走の象徴的なレースです。その激しさ、そしてそこに込められた歴史的意義を理解することで、このレースの見応えはさらに増すことでしょう。将来、新たな伝説が生まれる可能性も秘めている、まさに目が離せないレースです。

もう一度検索