ラオス人民民主共和国首相

ラオス人民民主共和国首相

ラオス人民民主共和国首相（ラーオ語: ນາຍົກລັດຖະມົນຕີ ແຫ່ງ ສປປ ລາວ）は、ラオス人民民主共和国政府の長であり、国の行政を統括する重要な役職です。

概要

1975年12月2日のラオス人民民主共和国建国時に、最高人民会議によって共和国政府が選出され、初代首相にはラオス人民革命党書記長のカイソーン・ポムウィハーンが任命されました。当時、国家元首はスパーヌウォンでしたが、ラオス人民革命党が支配政党であり、国家機構は首相に権力が集中する体制であったため、カイソーン・ポムウィハーンが事実上の最高権力者となりました。

1991年8月には初の憲法が制定され、国家主席の権限が強化されました。これにより、首相の権限は縮小されたものの、憲法において「政府の長」として位置づけられています。カイソーン・ポムウィハーンが国家主席に昇格したことに伴い、カムタイ・シーパンドーンが第2代首相に就任しました。

歴代首相は一貫してラオス人民革命党政治局員が務めており、現在の首相はソーンサイ・シーパンドーンです。

選出と任期

首相は、国民議会の承認を得て、国家主席によって任免されます。任期は国民議会と同一の5年であり、憲法上、再選に関する制限はありません。

職権

首相は、以下の職権を有しています。

行政権: 政府を代表し、国家行政を指導・管理します。各省庁・国家委員会およびその他の政府付属機関の業務を指導し、各県知事・市長の行政を指導します。
人事権: 国会に対して政府機関の長の任免を提言し、国家主席に対して県知事・市長の任免を提言します。また、国家主席に対してラオス人民軍および治安部隊の長の昇格・降格を提言し、副首相、国家委員会の副議長、副知事、副市長、郡の長を指名します。

歴代首相

歴代の首相は以下の通りです。全員がラオス人民革命党に所属しています。

1. カイソーン・ポムウィハーン（1975年12月2日 - 1991年8月15日）
2. カムタイ・シーパンドーン（1991年8月15日 - 1998年2月24日）
3. シーサワット・ケーオブンパン（1998年2月24日 - 2001年3月27日）
4. ブンニャン・ウォーラチット（2001年3月27日 - 2006年6月8日）
5. ブアソーン・ブッパーヴァン（2006年6月8日 - 2010年12月23日）
6. トーンシン・タムマヴォン（2010年12月23日 - 2016年4月20日）
7. トーンルン・シースリット（2016年4月20日 - 2021年3月22日）
8. パンカム・ヴィパワン（2021年3月22日 - 2022年12月30日）
9. ソーンサイ・シーパンドーン（2022年12月30日 - 現職）

参考文献

カム・ヴォーラペット『現代ラオスの政治と経済』（藤村和広・石川真唯子訳、めこん、2010年）

外部リンク

改正ラオス人民民主共和国憲法（仮訳）（法務総合研究所国際協力部）

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