ラオス王国

ラオス王国について

ラオス王国は、20世紀のラオスに存在した王朝で、正式には「ພະຣາຊະອານາຈັກລາວ」と表記されます。この王国は、旧ルアンパバーン王国とチャンパーサック王国の合併によって形成され、近代国家としてのラオスの領域を確立しました。首都はヴィエンチャンに置かれましたが、王宮はルアンパバーンにあり、ルアンパバーンは世界遺産に登録されています。

独立の道のり

ラオスは仏領インドシナ連邦の一部であり、当時北部のルアンパバーン王国と南部のチャンパーサック王国に分かれていました。1945年、日本が仏印処理を実施した際、フランス占領軍が排除され、ルアンパバーンのシーサワーンウォン王は独立を宣言しました。これは多くのラオス国民によって歓迎されましたが、南部は依然としてチャンパーサックの影響を受けていました。

この時期、行政のラーオ族化を進めていたのは、首相職にあったペッサラート親王です。しかし、日本が敗北し、シーサワーンウォン王が独立宣言を撤回すると、民族主義者たちはレジスタンス運動を組織し、短期間で臨時政府を樹立しました。しかし1946年にはフランス軍が再度ラオスを制圧、ラーオ・イサラの指導者たちはタイに亡命しました。

フランスはシーサワーンウォン王に自治権を与え、1947年には憲法も制定されラオスは立憲君主国となりました。1949年には名目上では独立しましたが、実質的には外交権や軍事権はフランスに依存していました。

内戦と王国の消滅

次第に政治的な緊張が高まり、1950年には共産主義勢力であるネオ・ラーオ・イサラがラオス北東部に抗戦政府を樹立しました。1954年のジュネーヴ協定によりフランス軍は撤退し、その後アメリカの影響力が拡大しました。王国政府とパテート・ラーオが連携を模索し、他派とともに国の政治を安定させようとしました。

しかし、1958年に右派政権が出現し、パテート・ラーオが弾圧されたことで、再び内戦に突入しました。1960年にはコン・レー大尉がクーデターを起こし、内戦は続きました。アメリカは右派勢力に支援を行い、その結果、ラオスは冷戦の代理戦争の舞台となりました。

特に1960年代後半には激しい空爆が行われ、多くの民間人が犠牲となりました。1973年には和平合意が成立し、1975年には王政廃止に向けた動きが始まりました。パテート・ラーオと中立派軍が優位に立ち、連合政府が成立しましたが、最終的には王国の消滅が決定的となりました。

12月1日、全国人民代表会議で王制の廃止と共にラオス人民民主共和国の成立が宣言され、旧王家は「再教育」という名の下で投獄され、最終的には命を落としました。

結論

このように、ラオス王国は複雑な政治的背景を持ち、内戦を経て人民民主共和国へと移行する過程がありました。王国の歴史は、ラオスの独立とその後の発展に大きな影響を与えることとなりました。

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