ラジアータ ストーリーズ (RADIATA STORIES) 解説
『ラジアータ ストーリーズ』は、
スクウェア・エニックスより
2005年に発売された
PlayStation 2用ロールプレイングゲームです。開発は
トライエースが担当しました。
概要
本作は、剣と魔法の世界を舞台に、ラジアータ王国とその周辺で繰り広げられる物語を描きます。タイトルにある「ラジアータ」とは、放射状という意味を持ち、物語の分岐を象徴しています。
ゲーム最大の特徴は、物語の中盤でプレイヤーが重大な選択を迫られる点です。この選択によって物語は「人間編」と「妖精編」に分岐し、エンディングまで全く異なるシナリオが展開されます。
また、ゲーム内の時間経過が現実世界の時間と連動しており、200人以上のキャラクターがゲーム内の時間に合わせて生活している点も特徴です。モンスターも例外ではなく、昼行性のモンスターは夜になると眠りにつきます。150人以上のキャラクターを仲間にすることができ、後半の展開によっては敵として登場するキャラクターも存在します。
主題歌は
玉置成実さんの『Fortune』で、彼女をモデルにしたキャラクター「ナミ・タマキ」もゲーム内に登場します。
ストーリー
物語の舞台は、人間と妖精が共存する世界「トゥトアス」。人間たちはラジアータ王国を中心に生活し、エルフやドワーフなどの妖精たちは、人間と交流しながら地方で集落を作って暮らしていました。
しかしある日、妖精を守護する聖なる存在であるはずの水龍が、突如人間を襲う事件が発生します。ラジアータ王国の白色近衛騎士団長ケアン・ラッセルは、人々を守るために水龍に挑み、勝利しますが、その命を落としてしまいます。
数年後、英雄ケアンの息子であるジャック・ラッセルは、父のような騎士になるため、ラジアータ王国騎士団への入団テストに挑戦します。セレクションでリドリー・ティンバーレイクに敗北するも、英雄ケアンの息子という事で特別に騎士団に入団。
その後、ジャックはリドリー、ガンツ・ロートシルトと共に桃色豚闘士団(ローズ・コション)を結成されます。しかし、ブラッドオークとの戦いでリドリーが瀕死の重傷を負い、ダークエルフの長老ノゲイラによる禁断の魔術「霊継ぎの儀式」によって一命を取り留めたことをきっかけに、桃色豚闘士団は解散、ジャックは騎士団を解雇されてしまいます。
職を失ったジャックは戦士ギルドであるテアトル・ヴァンクールに加入し、様々な依頼をこなしていく中で、人間と妖精の関係が悪化し、戦争へと発展していく状況に直面します。そんな中、リドリーがライトエルフの住処である花の都へ行くことを知り、ジャックは自らの進むべき道を選択することになります。
人間編と妖精編
ジャックの選択によって物語は大きく分岐します。騎士団や戦士ギルドの仲間と共に王国を守り、人間族の存亡を賭けて妖精たちと戦う「人間編」、リドリーを守るために妖精族に与し、人間族に敵対する「妖精編」。
どちらの道を選んだとしても、ジャックは人間と妖精の対立の裏に潜む陰謀に巻き込まれ、世界の真実を知ることになります。
世界観
種族
人間:最も個体数の多い種族で、ラジアータ王国を築き繁栄しています。打算的・利己的な面があり、妖精たちからは敵視されています。
ライトエルフ:自然を愛する種族で、人間を敵視しています。寿命がなく不死であり、花の都に暮らしています。
ダークエルフ:ライトエルフと人間のハーフで、魔法を使うことができます。人間に対して友好的で、緑森京に暮らしています。
ドワーフ:坑道を掘り、鉱物を採掘して生活する種族です。手先が器用で、武器を製作して人間に売っています。地の谷に住んでいます。
グリーンゴブリン:いたずら好きでひょうきんな種族です。知能はやや低く、シャングリラに暮らしています。
ブラックゴブリン:麻薬作用のあるキノコの胞子を吸って暮らしている特殊な種族です。ゴブランヘヴンに住んでいます。
グリーンオーク:寿命が長く、戦闘能力が高い種族です。人間とも妖精とも友好的ではありません。ボルゴンディアーゾに住んでいましたが、ブラッドオークに追い出されました。
ブラッドオーク:最も獰猛で残忍な種族です。人間・妖精問わず恐れられています。
組織
ラジアータ王国:世界(トゥトアス)の中心に位置する王国。身分制度が存在し、4大貴族が有名です。王国騎士団や各種ギルドが存在します。
戦士ギルド テアトル・ヴァンクール:騎士団を解雇された者が所属するギルドです。
僧侶ギルド 神聖オラシオン教団:僧侶たちが集まるギルドです。HPの回復や状態異常の治療などを行います。
魔術師ギルド ヴァレス魔術学院:魔術を使う技術者集団のギルドです。
盗賊ギルド ヴォイド・コミュニティー:闇に生きる者たちが集まるギルドです。
ゲームシステム
タイムスケジュール:ゲーム内の時間に合わせてキャラクターが生活しています。
移動・探索:サイドビューで描かれたフィールドを探索します。
戦闘システム:リアルタイム形式のアクションバトルです。4人のパーティで戦い、武器や技を駆使して敵を倒します。
ボルティゲージ:必殺技や特殊行動に必要なVPを溜めるゲージです。
リンクバトルシステム:仲間と陣形(リンク)を組むことで、特殊能力が使用できるようになります。
スキルリンクシステム:リンク中に仲間のスキルを共有することができます。
命令:VPを消費して仲間に指示を出すことができます。
登場人物
ジャック・ラッセル:本作の主人公。英雄ケアンの息子。
リドリー・ティンバーレイク:ジャスネの娘。騎士団セレクションでジャックに勝利するほどの武術の腕を持つ。
ガンツ・ロートシルト:ガウェインの息子。桃色豚闘士団の団長。
サルート・ラークス:ラジアータ王国宰相兼騎士団総参謀長。
ジャスネ・コルトン:ラジアータ王国家老。リドリーの父。
ルシオン・ヒューイット:ラジアータ王国の古くから仕える貴族の出生。
ダイナス・ストーン:ラジアータ騎士団将軍。騎士団一の実力者。
クロス・ワード:騎士団・黒色山羊槍士団を率いる若き団長。リドリーの許婚。
ナツメ・ナギ:紫色山猫剣士団を率いる女性騎士。
レナード・フォード:ジャックの先輩。
ジャーバス・モンデール:戦士ギルドに加入したジャックが最初に所属することになったチーム「ヘクトン」の隊長。
タナトス・ベインズ:戦士ギルドで受付をしている男性。
ジェラルド・ニクソン:戦士ギルドの副長。
エルウェン:戦士ギルドの大隊長の地位にある女性。
クライヴ・パーカー:僧侶ギルドの一員。
ジーニアス・ヴァイスハイト:ヴァレス魔術学院に通う少年。
エアデール・ラッセル:ジャックの姉。
ノゲイラ:ダークエルフの長老。
ザイン:ライトエルフの一族を束ねる。
火龍パーセク:地水火風の四龍の一体。
銀龍フォティーノ:金龍クェーサーと交互に人間を導く役割を担う。
ゲストキャラクター
ナミ・タマキ:ラジアータ王国でたびたび出没する謎の歌手。
ヴァルキリー:『ヴァルキリープロファイル』の主人公。
レザードヴァレス:『
ヴァルキリープロファイル』に登場した悪役。
ガブリエセレスタ:神聖オラシオン教団で崇拝されている男神。
イセリアクイーン:神聖オラシオン教団で崇拝されている女神。
主なスタッフ
ディレクター:秋山直樹
企画:荒川健太郎、卯川真也、武本賢太郎
脚本:みとり正敏、有限会社エッジワークス
キャラクターデザイナー:城之尾武司、小西浩
ミュージックコンポーザー:岩垂徳行
主題歌
「Fortune」歌:
玉置成実
「てくてくあるく -ラジアータMix-」歌:今泉由香
関連商品
攻略本
漫画:RADIATA STORIES The Epic of JACK、RADIATA STORIES The Song of RIDLEY
小説:ラジアータストーリーズ
音楽:ラジアータ ストーリーズ オリジナルサウンドトラック
外部リンク
公式サイト