ラジャダムナン・スタジアム

ラチャダムヌーン・スタジアム

ラチャダムヌーン・スタジアム（タイ語: เวทีมวยราชดำเนิน）は、タイ・バンコクのポーンプラープ区に位置する、ムエタイおよびボクシングのための専用競技施設です。このスタジアムは、ルンピニー・スタジアムと並ぶ、タイ国内の伝統的なムエタイ試合の重要な会場として知られています。収容人数は1万人を超え、快適な観戦空間を提供するために、観客席には空調設備が設けられています。ただし、試合の質にはバラツキがあり、住宅や商業地から少し距離があるために、人気プロモーターの興行以外では観客動員数がルンピニー・スタジアムには及ばないことがあります。

歴史

このスタジアムは1941年、当時の首相プレーク・ピブーンソンクラームの命により、国立ボクシングスタジアムとして開設されました。タイで最も歴史があるこの施設は、当初は露天の試合場で始まりました。その後改築を経て、1951年には現在の形に近いスタイルが完成しました。1969年には、伝説的なボクサー、ロッキー・マルシアノが国際マッチのゲスト・レフェリーとして招かれるなど、歴史的な出来事も多い場所です。

試合開催日と仕組み

ラチャダムヌーンでは、毎週月曜日、水曜日、木曜日、日曜日に試合が開催されています。試合は通常午後6時頃から始まり、日曜日を除く日には初めから第1試合としてカウントされます。日曜の試合には多くの若手選手が出場し、技術的に未熟な一方で、スリル満点のKO試合も多く見られます。メインイベントとされる「クーエーク」は、通常第7試合または第8試合に行われますが、必ずしも最終試合ではありません。その後に続いて若手選手の国際式ボクシングの試合が組まれることもあります。なお、仏教や王室にかかわる重要な行事の日は、試合は行われません。

スタジアムの運営

ラチャダムヌーン・スタジアムは、1953年からラチャダムヌーン・スタジアム株式会社によって運営されています。この法人は、試合のランキング作成やレフェリーの管理を行っており、元々は王室財務局が運営していたことから、王室に関連した表現が見られることがあります。

プロモーターと試合

このスタジアムでの試合は、登録された公認プロモーターのみに興行権が認められており、現在は13名のプロモーターが存在します。彼らはそれぞれ異なる興行名を持っており、新日本キックボクシング協会も自主興行を開催することがあります。

呼び方について

日本では「ラジャダムナン・スタジアム」と表記されることが一般的ですが、タイ国政府観光庁では「ラチャダムヌーン」が正式な表記として用いられています。そのため、タクシーの運転手など一部の人々には「スタジアム」という用語が通じないこともあります。また、観客席の空調が効いているため、俗称として「ウィッグ・エー」と呼ばれることもあります。

アクセス

スタジアムへはバンコク都のバス、70番や509番でアクセス可能で、バックパッカーが多く集うカオサン通りからも徒歩圏内です。多くの日本人観光客も観戦に訪れる場所として知られています。

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