ラストソング (映画)

『ラストソング』は、1994年2月5日に公開された東宝・フジテレビジョン製作の日本映画です。本木雅弘と吉岡秀隆がダブル主演を務め、音楽業界を舞台にした人間ドラマが展開されます。VHS版は発売されていますが、現在までDVD化はされていません。

物語は、ラジオ局員の庄司倫子が、ライブハウスでロックバンド「シューレス・フォー」のボーカル、八住修吉に出会うところから始まります。修吉の過激な性格とは裏腹な優しい歌声に惹かれる倫子。そんな中、客席からギターをかき鳴らす稲葉一矢という青年が現れます。修吉はその才能を見抜き、バンドメンバーに引き入れますが、そのために既存のメンバーを追い出すという強引な手段に出ます。

その後、レコード会社のディレクターの誘いを受け、バンドは上京。倫子も修吉に惹かれ、共に東京へ向かいます。念願のレコードデビューを果たすも、セールスは伸びず、地方巡業の日々。そんな中、一矢が才能を開花させていき、ディレクターはバンドを解散させ、一矢をソロシンガーとして売り出すことを決意します。

修吉を慕う一矢は、修吉が辞めるなら自分も辞めると言い出しますが、修吉は一矢の未来のため、マネージャーになることを決意。倫子と共に、3人で新たな道を歩み始めます。

3年後、一矢はトップスターとなりますが、スランプに苦しんでいました。一方、修吉は密かにレコード会社の移籍を進め、契約金を手にしていました。そんな修吉の姿に、一矢は葛藤を覚えます。コンサート当日、倫子の説得もあり、一矢は修吉に決別を告げます。また、修吉は旧友の事故死を知り、自らの行いを反省。コンサートでは、亡き友に捧げる新曲「ラストソング」が披露され、修吉、一矢、倫子はそれぞれの道を歩み始めるのでした。

本作は、音楽業界の光と影、友情と葛藤、そしてそれぞれの成長を描いた作品です。主題歌は吉岡秀隆が歌う「ラストソング」。脚本は野沢尚が手掛け、同名小説も発表されています。

キャスト
八住修吉：本木雅弘
稲葉一矢：吉岡秀隆
庄司倫子：安田成美
青木祥子：倍賞美津子
寺園圭介：石坂浩二

スタッフ
監督：杉田成道
脚本：野沢尚
音楽：ニッキー・ホプキンス

現在DVD化されていませんが、音楽と人間ドラマが融合した作品として、再評価が期待されます。

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