杉田成道

杉田成道：テレビと映画の両面で活躍した巨匠

杉田成道氏は、1943年愛知県豊橋市に生まれました。旧家で育ち、慶應義塾大学文学部卒業後、フジテレビに入社。当初は報道志望でしたが、配属された制作部門で演出助手を経て、演出家としてのキャリアをスタートさせます。

初期はバラエティ番組の演出に携わった後、報道番組や新聞社勤務を経て、再びフジテレビに戻ります。その後、独立系の制作プロダクションを経て、1973年、『肝っ玉捕物帳』でドラマディレクターデビュー。その後も数々のドラマを演出しましたが、その中でも最も有名な作品が、1981年から手がけた『北の国から』シリーズです。

『北の国から』は、北海道の富良野を舞台に、黒板五郎一家を描いた長編ドラマ。杉田氏の演出手腕と、脚本家・倉本聰氏のシナリオが絶妙に合致し、国民的な人気を博しました。この作品によって、杉田氏は一躍、フジテレビの看板ディレクターとしての地位を確立します。撮影現場では、出演者から「笑う悪魔」と呼ばれるほど熱心な姿勢で臨み、何度もテイクを重ねていました。

テレビドラマでの成功にとどまらず、1988年には『優駿ORACION』で映画監督デビューも果たします。監督作品は『ラストソング』や『最後の忠臣蔵』などがあり、テレビドラマと同様に高い評価を得ています。特に、『最後の忠臣蔵』では、2012年の日本アカデミー賞優秀作品賞を受賞しました。

また、2014年には、アニメーション映画『ジョバンニの島』の原作・脚本も担当し、アヌシー国際アニメーション映画祭審査員特別賞を受賞するなど、その才能は多岐に渡っています。

杉田氏のキャリアは、フジテレビ役員待遇エグゼクティブディレクターや日本[[映画放送]]社長を務めたことなど、制作現場にとどまらない幅広さが特徴です。日本[[映画テレビプロデューサー協会]]会長も歴任し、日本の映像業界に大きな貢献を果たしました。

私生活では、1969年に結婚し、1男をもうけます。しかし、50歳の時に妻を亡くすという悲しみを経験します。その後、30歳年下の女性と再婚し、4人の子供をもうけました。2010年には、自身の半生と再婚に至るまでの経緯を描いた『願わくは、鳩のごとくに』を出版。この本は大きな話題となり、多くの人々に感動を与えました。

数々の賞を受賞している杉田成道氏の作品群は、日本テレビドラマ史、そして日本映画史に大きな足跡を残しています。その功績は、多くの受賞歴が証明しています。

主な受賞歴

芸術選奨新人賞放送部門
ギャラクシー賞（複数回受賞）
テレビ大賞
日本アカデミー賞優秀作品賞（複数回受賞）
文化庁芸術作品賞
日本民間放送連盟賞（複数回受賞）
放送文化基金賞（複数回受賞）
橋田賞
菊池賞
放送人グランプリ・グランプリ
アヌシー国際アニメーション映画祭審査員特別賞
ニューヨークフェスティバル金賞
衛星放送協会特別賞

主な作品

テレビドラマ：『北の国から』シリーズ、『肝っ玉捕物帳』、『Yの悲劇』、『町』、『少年H』など多数
映画：『優駿ORACION』、『ラストソング』、『最後の忠臣蔵』、『ジョバンニの島』（原作・脚本）など
舞台：多数
ラジオドラマ：『ストリッパー物語』
著書：『願わくは、鳩のごとくに』など

杉田成道氏は、日本の映像文化に多大な貢献をした、まさに巨匠と言えるでしょう。その功績は、これからも多くの人々に語り継がれていくことでしょう。

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