ラスト・クリスマス (ワム!の曲)

ラスト・クリスマス

『ラスト・クリスマス』は、イギリスの音楽グループ、ワム!によって1984年にリリースされたシングルです。この楽曲は、クリスマスシーズンになると日本で広く流れる定番のクリスマスソングとなっています。曲のテーマは、クリスマスにおける失恋を扱っており、タイトルの「ラスト・クリスマス」は「去年のクリスマス」を意味します。

この曲は、クリスマスの直前、人気が絶頂だった1984年に合わせて発売されました。『ラスト・クリスマス』は、実際にはジョージ・マイケルがソロで録音した曲であり、彼の才能が存分に発揮されています。曲の構成は打ち込み音源を使用しており、特筆すべき点として、ジョージ自身が楽器を演奏している部分は存在しません。シングルには通常バージョンのほかに、当時流行していた12インチバージョンがあったことも知られています。

また、1980年代中頃に音楽出版社ディック・ジェームズ・ミュージックから、ジョージ・マイケルが作曲した「ラスト・クリスマス」が他の楽曲と酷似しているとして訴訟を起こされましたが、最終的には示談で決着しました。

現在、再発の際に出回っているのは主にプディング・ミックス版であり、オリジナルのシングルバージョンが収録されているアルバムは非常に少ないのが現実です。この曲は、時を経ても多くのアーティストによってカバーされ続け、さらに2007年には「ワム!」名義で「Last Christmas 2007」も発表されています。
日本では、累計売上数が100万枚を超える大ヒットを記録しており、特にクリスマスの時期には多くの人に親しまれています。2013年には、JRA阪神競馬の本馬場入場曲にも採用され、多くの場面で耳にする機会が増えました。

ジョージ・マイケルの訃報が2016年12月25日に伝えられた際には、彼が手がけたこの楽曲が世界中で再び多くの人に聴かれることとなり、彼の功績が再評価されました。

チャート成績

『ラスト・クリスマス』は、日本のオリコンチャートにおいても注目され、1984年12月30日付で総合シングルチャートの最高12位を記録。その後1988年に洋楽シングルチャートで1位を獲得し、さらに通算30週にわたって1位を維持しました。この記録は、2023年現在も最長となっています。1992年のオリコン洋楽シングルチャート年間1位も獲得しました。

イギリスでは1985年のクリスマスシーズンに再発売され、6位にランクイン。その後も毎年のクリスマスシーズンにはチャートインし続け、2016年には31年ぶりに再びトップ10入りを果たしました。2021年と2023年にもそれぞれ全英シングルチャートで1位を記録し、リリースから36年、39年後の快挙となりました。

アメリカではシングルレコードとして発売されていませんが、『ビルボード』のアダルト・コンテンポラリーチャートで最高22位を記録。2017年にはBillboard Hot 100に初めてランクインし、その後もランキングを上昇させています。

カバー作品

『ラスト・クリスマス』は日本でも多くのアーティストによってカバーされています。以下はいくつかのカバー例です：

• - 栗林誠一郎 - 1989年
• - 松田聖子 - 1991年
• - ナディア・ギフォード - 1993年
• - 火野レイ（富沢美智恵） - 1996年
• - 古内東子 - 2001年
• - 押尾コータロー - 2003年
• - Yuji Oda with Butch Walker - 2004年
• - EXILE（日本語カバー） - 2008年
• - カーリー・レイ・ジェプセン - 2015年

これらのカバーもまた、それぞれのアーティストの解釈を加えながら、曲の魅力を引き出しています。

『ラスト・クリスマス』は時代を超えて愛されるクリスマスソングとして、今後も多くの人に親しまれていくことでしょう。

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