ラス・タンブリン

ラス・タンブリンは、1934年12月30日にカリフォルニア州ロサンゼルスで生を受けた、アメリカ合衆国の多才な俳優でありダンサーです。身長は175cm。ヴォードヴィル芸人の息子としてエンターテイメントの世界に触れ、幼少期からその非凡な才能を開花させました。

幼少期とキャリア初期

父はパフォーマーのエディー・タンブリンでした。その影響もあり、ラスはわずか6歳でダンスやアクロバットの厳しい訓練を開始します。10歳の時には、俳優ロイド・ブリッジスにその才能を見出されたことがきっかけとなり、ハリウッドへの道が開かれました。1948年、映画『緑色の髪の少年』に端役で出演し、スクリーンデビュー。その後、メジャー映画会社のMGMと契約を結び、子役・若手俳優として瞬く間に人気者となります。

代表作と評価

ラス・タンブリンの身体能力は、特にミュージカル映画で際立ちました。1954年の名作『掠奪された七人の花嫁』では、彼のダイナミックなダンスパフォーマンスが大きな注目を集めます。俳優としても高く評価され、1956年には第13回ゴールデングローブ賞で新人男優賞を受賞。1957年の映画『青春物語』での演技は、第30回アカデミー賞助演男優賞にノミネートされるという輝かしい成果に繋がりました。彼のキャリアにおける最も有名な役柄の一つは、1961年の不朽の名作『ウエスト・サイド物語』で演じた、不良グループ「ジェット団」のリーダー、リフです。この役で彼は世界的なスターダムを駆け上がりました。

日本映画への出演

1966年には、日米合作の東宝特撮映画『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』に出演し、科学者ポール・スチュワート博士を演じました。しかし、この日本での撮影時には、共演者やスタッフとの交流を避け、撮影後はすぐにホテルへ直帰するという態度が話題となりました。共演者の一人である土屋嘉男氏は、演技を合わせようとしないタンブリン氏に、水野久美さんが怒ったエピソードを語っています。別の共演者である佐原健二氏は、言葉の壁による孤立の可能性を示唆しました。この時のわだかまりは長く続かず、2014年にイベントで再会した際、佐原氏はタンブリン氏と和やかに話し、同じ作品に携わった「同志」として親近感を覚えたと述懐しています。

私生活

ラス・タンブリンの家族も芸能界と深いつながりがあります。弟のラリー・タンブリンは、ロックバンド「スタンデルズ」の主要メンバーとして知られるミュージシャンです。また、3番目の妻ボニー・マレイとの間に生まれた娘、アンバー・タンブリンも父の後を追って女優となり、広く活躍しています。

結び

ラス・タンブリンは、幼い頃から培ったダンスとアクロバットの才能を武器に、子役から主演級へと駆け上がり、特にミュージカル映画でその才能を輝かせました。『ウエスト・サイド物語』など歴史に残る作品に出演し、俳優、ダンサーとしてハリウッドの歴史に名を刻んでいます。その多才なキャリアは今なお多くの人々に記憶されています。

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