ラゾーナ川崎東芝ビル

ラゾーナ川崎東芝ビルの概要

ラゾーナ川崎東芝ビルは神奈川県川崎市幸区に位置し、再開発地域であるラゾーナ川崎に建てられたオフィスビルです。このビルは、技術を持つ企業である東芝の川崎本社事務所の主要な所在地となっています。2013年に完成したこのビルにより、以前あった浜松町本社事務所から本社機能の約70%が移転したことが大きな話題となりました。

建築とデザイン

このビルは、JR川崎駅の西口近くに位置し、その敷地には過去に東芝の堀川町工場が存在していました。この工場は1998年に閉鎖され、その後、再開発の計画が開始されました。2006年から07年にかけて、商業施設や住宅ゾーンが完成した後、2011年7月に新しいオフィスビルの建設が着手され、3年後の2013年3月に竣工に至りました。

ラゾーナ川崎東芝ビルは、超高層ビルではなく15階建てとして設計されており、各フロアの標準面積は2000坪を超え、延べ床面積も約10万平方メートルに達しました。このビルの形状は立方体に近く、建物の外观にはバルコニー「エコシェルフ」と縦のルーバーが特徴で、日照遮蔽や避難経路の確保、設備スペースの役割を果たしています。さらに、中央部に設けられた共有空間「イノベーション・スクエア」と階段「イノベーション・ボイド」は、社員同士の交流を促進する場所として機能します。

環境への配慮

このビルは最新のエネルギー管理システム（BEMS）を導入しており、画像センサーを用いた照明や空調管理が実施されています。また、建物の高さを制御することで、エネルギー消費を削減しました。結果として、東京都の一般的なオフィスビルと比較して、CO2排出量を50%も削減することに成功しています。この環境対策の成果は高く評価され、川崎市の環境配慮制度では最高ランクの「Sランク」を取得し、さらに「DBJグリーンビルディング認証」でもプラチナを獲得しました。

BCP（事業継続計画）対策としては、免震構造が採用されており、非常用発電機や各種水槽も完備しています。屋上や歩道周辺には緑化が施され、川崎駅とはペデストリアンデッキで直接接続されています。これにより、利便性と環境への配慮の両立を図っています。

テナント構成

このビルの全フロアは東芝が一括で賃借しており、約7800名のスタッフがスマートコミュニティ事業部門で勤務しています。建物内の配置も工夫されており、1階には車寄せ、3階にはゲスト用エントランスやミーティングルームが、4階にはカフェテリアが設置されています。5階から15階にはオフィスが配置されており、業務が効率的に行える環境が整備されています。

2階には東芝科学館の代わりに2014年に開設された東芝未来科学館が存在しましたが、2024年の中頃から非公開の施設となる予定です。また、東芝グループのいくつかの企業もこのビルに本社を移しており、テナント構成も多様です。2022年には東芝キヤリアがグループから離脱し、2024年5月に商号を変更する予定です。

このようにラゾーナ川崎東芝ビルは、最新の技術と環境に対する配慮を活かした先進的なオフィスビルとして、働く人々に快適な空間を提供しています。

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