ラヂオプレス

一般財団法人ラヂオプレスについて

一般財団法人ラヂオプレス（英：Radiopress, Inc.、略称：RP）は、日本国内における通信社であり、主に旧共産圏のラジオやテレビの放送を聴取・視聴し、それらの情報を日本政府や報道機関に配信することを主な業務としています。この団体の設立目的は、情報の収集と分析を通じた国の安全保障への寄与です。

概要

ラヂオプレスは、東京都新宿区若松町にあるアール・ビル新宿に本社を構え、約100名の職員が在籍しています。彼らは、35カ国や地域からの放送を24時間体制で聴取する役割を担っています。ラヂオプレスは、過去の記録によっては「ラヂオプレス通信社」とも呼ばれていることもあります。

歴史の背景

この機関は1941年、外務省に設置された「ラヂオ室」が前身です。樺山資英という名称の事務官がアマチュア無線の知識を活かして、短波放送の傍受を試みたことから始まりました。やがて情報収集の重要性が増す中で1946年に独立した団体としてスタートし、外務省の財団法人として活動を続けていました。

冷戦の時代には、西側諸国の立場から東側諸国の情報を収集・分析し、日本の安全保障を支える業務を行いました。はじめての本社は東京都中央区銀座にありましたが、後に新宿区のフジテレビ旧本社内へ移転しました。

北朝鮮情報の専門機関としての役割

ラヂオプレスは、北朝鮮に関する情報収集の専門機関としても知られています。特に河田町時代には、朝鮮中央放送や北京放送の情報を分析することに特化してし、重要な情報を国内の報道機関に配信することで注目を集めました。特に、1994年には金日成の死去に関する情報をいち早く報じ、2011年には金正日の死去を察知するなど、高度な情報収集能力を示しています。

技術と機材

ラヂオプレスは、高性能な通信機型受信機を主力機材として導入しており、特に日本無線のNRD-535が多く採用されています。これにより、監視した情報を迅速に録音し、後に活用することが可能です。また、テレタイプの受信なども行っており、モダンな機器を使用しています。2010年にはNHKから外国放送受信所が移管され、基本財産として活用されています。

刊行物と提供情報

ラヂオプレスは「RPニュース」と呼ばれる刊行物を発行しており、これは外国の放送局の内容とその要約を提供しています。特に1958年版にはニュースの真偽に対する責任を明記しており、多様な報道情報を紹介しています。また、『朝鮮民主主義人民共和国組織別人名簿』や独自編集の書籍も定期的に出版しています。

結論

一般財団法人ラヂオプレスは、戦後から現在に至るまで、日本の情報収集活動において重要な役割を果たしてきた通信社です。特に、冷戦時代には西側諸国としての立場から東側諸国の情報を収集し、安全保障に寄与してきました。今後もその重要な機能は続いていくことでしょう。

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