ラップランド戦争

ラップランド戦争

ラップランド戦争（Lapin sota）は、1944年9月から1945年4月にかけてフィンランドとナチス・ドイツの間で繰り広げられた戦争です。この戦争は主にフィンランドの北中部ラップランド地域で発生し、ソ連との休戦協定に基づくドイツ軍の撤退に伴い勃発しました。

フィンランドは1944年9月19日にソ連とのモスクワ休戦協定を締結し、ソ連との継続戦争を終結させたものの、その内容にはドイツ軍をフィンランド領から追放することが要求されていました。このため、フィンランドはドイツ軍の撤退を強く求めることになりました。

しかし、最初は平和的に進められるはずだったドイツ軍の撤退は、10月にトルニオでの戦闘が始まると、次第に激化し、ドイツ軍は焦土戦術を用いてラップランドから撤退を余儀なくされました。その結果、多くの街が焼失し、戦争の爪痕を残しました。ドイツ軍がフィンランドを去ったのは1945年4月のことでした。

戦争までの経緯

この戦争の背景には、1941年6月からの継続戦争でのドイツとフィンランドの同盟がありました。ソ連との戦闘が続く中、1943年にはドイツ軍がフィンランドの単独和平合意の可能性を危惧し始めました。また、フィンランドの大統領が変わったことで、ドイツはフィンランドがソ連と和平を結ぼうとしていると感じました。

1944年、ドイツ軍の撤退作戦「ビルケ作戦」が開始され、軍需品の運び出しが急ピッチで進められました。しかし、9月にフィンランドがドイツ軍に対抗する動きを見せると、ドイツ軍は攻撃的な姿勢を強め、戦闘が激化しました。

ラップランドでの戦闘

フィンランドがドイツとの外交関係を断絶した後、ドイツ軍は撤退準備を進めながらも、フィンランド軍と接触を持ち、戦闘が始まりました。フィンランド軍は第3、第11師団を派遣し、ドイツ軍との接触を試みましたが、様々なトラブルが発生しました。

最初の戦闘は1944年9月28日に発生し、その後も小規模な衝突が続きました。フィンランド軍は様々な地点でドイツ軍を攻撃し、トルニオでの戦いではドイツ軍が追い詰められ、撤退を余儀なくされる状況が続きました。

撤退とその影響

1944年10月以降、フィンランド軍はドイツ軍の後追いを開始しましたが、破壊された道路や橋により進軍は困難を極めました。また、ドイツ軍も撤退の際には焦土戦術をとり、民間施設やインフラに対しても甚大な被害を及ぼしました。

戦争の終息に向けて1944年11月にはドイツ軍は国境を越え、速やかに撤退を進めましたが、その過程でフィンランドの都市は大きな損害を受け、多くの住民が難民となりました。フィンランド軍はドイツ軍の撤退を追い続けましたが、戦争の影響を受けた地域は復興に長い時間を要しました。拉致されたり、地元住民が戦争に巻き込まれることも多く、戦後は復興作業が急務となりました。

結末と結果

ラップランド戦争は1945年4月に終結し、ドイツ軍がフィンランドを完全に去ることになります。両軍の戦死者は比較的少なかったものの、ドイツによる焦土戦術により、フィンランドのインフラや住民の生活には大きな影響が及びました。フィンランドは戦後の復興に挑むこととなりました。

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