ラティウム同盟

ラティウム同盟とは

ラティウム同盟（ラテン語: Foedus Latinum）は、紀元前7世紀頃から紀元前338年まで存在した、古代ローマ近隣の約30の村や部族による同盟です。相互防衛を目的として結成されましたが、その名称は現代の歴史家によって名付けられたもので、当時のラテン語に相当する言葉は存在しません。

同盟の結成

同盟は、周辺地域のエトルリアからの脅威に対抗するため、アルバ・ロンガの主導で結成されました。大カトーの碑文によれば、トゥスクルム、アリキア、ラヌウィウム、ラウィニウム、コラ、ティブル、ポメティア、アルデアなどが加盟していたとされています。

ローマの台頭とカッシウス条約

王政ローマのタルクィニウス・スペルブス王の時代には、ローマが同盟の主導権を握り、同盟はローマの指示に従って軍を供出するようになりました。初期の共和政ローマと同盟は、紀元前493年にカッシウス条約を締結し、軍事におけるローマの主導権と戦利品の分配を定めました。この同盟は、アエクイ族やウォルスキ族といったアペニン山脈の部族の侵略を防ぎ、ラティウムを守り抜きました。

ラティウム戦争と解体

王政ローマから共和政初期にかけて、ローマとラティウムの間には紛争が絶えませんでした。ローマが国力を増すにつれて同盟内での主導権を強め、紀元前358年の条約更新でそれが正式に認められると、ラティウムの諸都市は反発しました。これが第二次ラティウム戦争（紀元前343年 - 紀元前338年）の引き金となり、ローマが勝利したことで同盟は解散しました。

紀元前338年の同盟解散後、ローマはトゥスクルムを皮切りに、ラティウムの都市をムニキピア（自治都市）とし、植民市を建設しました。これにより、ラティウム同盟の都市はローマの支配下に置かれ、その住民はローマ社会に組み込まれていきました。

加盟都市

アルバ・ロンガ (主導都市、紀元前7世紀中盤に破壊)
アルデア
アリキア
コラ
ラヌウィウム
ラウィニウム
ポメティア
ティブル
* トゥスクルム

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