ラテ兼営

ラテ兼営（ラテけんえい）に関する概要

ラテ兼営とは、同一の事業者がラジオ放送とテレビ放送の両方を行う放送局を開設することを指します。この形態は、特に日本の放送業界において重要な役割を果たしており、放送事業者としての特定の条件を満たすことが求められます。

放送事業者の分類

放送事業者は、ラジオ放送のみを行う「ラジオ単営」や、テレビ放送のみを行う「テレビ単営」といった分類に分けられます。この中で、ラテ兼営局は、ラジオとテレビの両方を兼ねる局のことを指し、この概念は日本の総務省が提供する資料にも記載されています。

マスメディア集中排除原則

日本では、特に民間地上基幹放送事業者に対して、「マスメディア集中排除原則」が適用されており、この原則により原則として複数の地上基幹放送局の開設は認められていません。しかし、ラテ兼営に関しては、例外的に認められています。具体的には、放送法第93条第1項第4号に基づく条件を満たす場合、各種の組み合わせでラジオとテレビの兼営が可能になります。これは、表現の自由確保の一環として制度化されています。

兼営可能な範囲

ラテ兼営が行える具体的な範囲としては、以下のように定められています：

• - コミュニティ放送を除くラジオ4局
• - コミュニティ放送を除くラジオ4局とテレビ1局
• - コミュニティ放送1局とテレビ1局

この規定は、特定の放送事業者が他の事業者に対して株式を10%以上保有する場合も含めて考慮されます。

歴史的背景

この制度が設けられた背景には、テレビ放送の開始当初、中波ラジオ局の運営者が参入することで、テレビの普及と発展が促進されたという歴史があります。一方で、1969年にFM放送が始まった際は、テレビとの兼営が認められない状況にありました。

ラテ兼営事業者の現状

2021年4月1日現在、狭義のラテ兼営として運営されている局は31社に上り、これらは主にAMラジオ局とテレビ局の組み合わせとなっています。興味深いことに、民間AMラジオ局においては、テレビとの兼営事業者が単営事業者よりも多く、その割合は約66%に達します。

事業者の実例

様々な事業者がラテ兼営を実施しており、その代表例には琉球朝日放送があります。この局は先発の琉球放送と同一の建物で運営されていますが、業務は別々に行っているため事実上の1局2波体制を構築しています。また、過去にはテレビ東京がラジオ局を傘下に持つ事例もありました。

結論

ラテ兼営は、ラジオとテレビの両方を運営することで、視聴者に多様な情報を提供し、表現の自由を広げる役割を果たしています。日本の放送事業者においては、この形態が放送環境の発展に寄与していることは間違いありません。この制度は、放送業界のダイバーシティを推進する重要な要素となっています。

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