ラディテュード

アルバム『ラディテュード』の概要

『ラディテュード』（Raditude）は、アメリカのオルタナティヴ・ロック・バンド、ウィーザーが2009年にリリースした7作目のスタジオアルバムです。この作品では、音楽スタイルやメンバーの役割に新たな変化が見られました。

背景と制作

アルバムの制作前、バンドはライヴパフォーマンスを行い、その際にドラムを担当していたパトリック・ウィルソンがギターに転向しました。これに伴い、ジョシュ・フリースがドラマーとして参加することになりました。リヴァース・クオモは、ウィルソンのギター演奏を高く評価し、自身はよりアクティブにステージ上を動き回る意向を持っていたと語っています。

一方で、フリースのドラミングについては、「ソリッドで信頼できる」とコメント。アルバム中の「アイム・ユア・ダディ」「ザ・ガール・ガット・ホット」「レット・イット・オール・ハング・アウト」の三曲ではフリースがドラムを担当しましたが、彼が今後も常設メンバーになるかは未確定とのことです。

バンドはまた、新たな音楽的コラボレーションを試み、ブッチ・ウォーカーやジャーメイン・デュプリなど、外部のソングライターを迎え入れました。過去のインタビューでは、クオモが多くの特別なミュージシャンと共作したいと語り、その中にはブライアン・ウィルソンやカレンO、スパイク・ジョーンズなどの名前も挙げられました。アルバムのデラックスエディションに収録されている「ザ・アンダードッグス」は、日本の作曲家原一博との共作であり、以前からのコラボレーションの念願が叶った作品です。

特に「キャント・ストップ・パーティイング」にはリル・ウェインがゲスト参加し、クオモはウェインのスタイルを称賛しました。また、「ラヴ・イズ・ジ・アンサー」ではインドの楽器が使用され、アルバムの先行リリース曲として、シュガー・レイのアルバムにはクオモが参加したカヴァーも収録されました。

アルバムタイトルの『ラディテュード』は、「rad」と「attitude」をミックスしたもので、俳優のレイン・ウィルソンが考えました。当初、クオモは別のタイトルを考えていましたが、PUFFYの新作タイトルにより、その案は断念されました。また、ジャケットにはジェイソン・ニーリーが撮影した犬の写真が使用されています。

反響と評価

リリース後、アルバムはアメリカでBillboard 200で7位を記録し、ロック・アルバムチャートでは1位を獲得しました。しかし、初週の売り上げは前作の半分以下に留まりました。シングル「アイ・ウォント・ユー・トゥ」はHot 100で81位にランクインし、全英アルバムチャートでは80位という成績に終わりましたが、ウィーザーにとっては初めて全英トップ50入りを逃した作品となりました。

音楽批評の反応は分かれ、オールミュージックのマット・コラーは本作を5点満点中3.5点と評価し、ウィーザーの古き良きサウンドを感じさせる一方で新しさもあると称賛しました。ロブ・シェフィールドは『ローリング・ストーン』で同じ評価を下し、明るく楽しいウィーザーらしさを指摘しました。一方、批評家エヴァン・ソウディは、冷静で計算されたアルバムであるとして低評価を下し、「年間最悪のアルバム」とまで述べることもありました。

収録曲

1. アイ・ウォント・ユー・トゥ - (If You're Wondering If I Want You To) I Want You To
2. アイム・ユア・ダディ - I'm Your Daddy
3. ザ・ガール・ガット・ホット - The Girl Got Hot
4. キャント・ストップ・パーティイング - Can't Stop Partying
5. プット・ミー・バック・トゥギャザー - Put Me Back Together
6. トリッピン・ダウン・ザ・フリーウェイ - Trippin' Down the Freeway
7. ラヴ・イズ・ジ・アンサー - Love is the Answer
8. レット・イット・オール・ハング・アウト - Let It All Hang Out
9. イン・ザ・モール - In the Mall
10. アイ・ドント・ウォント・トゥ・レット・ユー・ゴー - I Don't Want to Let You Go
11. ターン・ミー・ラウンド - Turn Me Round
12. アイ・ウォーク・アップ・イン・ラヴ・ディス・モーニング - I Woke Up in Love This Morning

このアルバムは、ウィーザーの音楽的探求や、彼らのスタイルの進化を垣間見ることができる作品として、多くのファンに愛されています。

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