ラナイ島

ラナイ島：パイナップルからリゾートへ

ラナイ島は、ハワイ諸島のほぼ中心に位置する火山島で、モロカイ島の南沖に浮かんでいます。面積は約364平方キロメートルで、最高峰はラナイハレ山です。かつては「パイナップル・アイランド」として知られ、世界のパイナップル生産量の20%を占めていましたが、現在はその面影はありません。また、島の大部分が個人所有であることから「プライベート・アイランド」とも呼ばれています。

歴史

ラナイ島には、先史時代にはほとんど人が住んでいませんでした。1778年、ハワイ島の首長カラニオプウが、マウイ島との戦争を通じてラナイ島を占領。その後、1779年にイギリスのチャールズ・クラーク船長がヨーロッパ人として初めてこの島を目にしました。1823年には宣教師ウィリアム・エリスが上陸し、当時の人口を約2000人と推定しています。

1850年代には、モルモン教徒がラナイ・シティ南部のパラワイ盆地にコミューンを形成しましたが、指導者の不正が発覚し、移住は失敗に終わりました。1888年には、マウナレイ・シュガー・カンパニーが設立され、サトウキビ栽培が始まりましたが、1901年には破綻しました。

1922年、「パイナップル王」と呼ばれたジム・ドールが、ラナイ島を110万ドルという破格の安さで購入し、世界最大のパイナップル農場を築きました。しかし、1966年にドール社はキャッスル&クック社に買収され、島の98%が同社の所有となりました。1992年、東南アジア産の安いパイナップルに押され、パイナップル畑は閉鎖されました。その後、キャッスル＆クック社は、豪華ホテルを建設し、観光振興に力を入れました。

2012年には、オラクル社の創業者ラリー・エリソンが、キャッスル＆クック社からラナイ島の土地の98%を買い取りました。エリソンは、この島を持続可能な開発モデルとして活用し、有機農場などで生産した作物を日本に輸出する構想を掲げています。しかし、近年では富裕層向けの島として開発が進み、伝統的な生活を送る島民の生活が脅かされているとの報道もあります。

気候

ラナイ島の気候は、他のハワイ諸島と比べて乾燥しており、比較的温暖です。夏の平均気温は約23℃、冬は約19℃です。年間降雨量はラナイ・シティで約1060mmですが、海岸沿いでは約381mmと少なくなります。

観光

ラナイ島は、その大部分が未開発のままで、自然が豊かです。州や郡が管理する公園はほとんどなく、フロポエ・ビーチが数少ない公立公園の一つです。ムンロ・トレイルでのハイキングや、ゴルフリゾートとしても有名で、アメリカのゴルフ雑誌でトップ10にランクインするデザイナーコースもあります。また、フロポエ・ビーチではシュノーケリングやスキューバダイビングも楽しめます。

まとめ

ラナイ島は、その歴史の中でパイナップル産業から観光へと大きく変化してきました。現在では、豪華なリゾートと手付かずの自然が共存する魅力的な島として、多くの人々を惹きつけています。

関連項目

LANAI (早見優の3枚目のアルバム)

参考文献

グレンダ・ベンドゥル、ネッド・フライアリ、マイケル・クラーク、コナー・ゴーリー、ルーシー・ヤマモト 著、キム・グラント 編『ハワイ』メディアファクトリー・ロンリープラネット、2005年。ISBN 4840114218。

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