ロンリープラネット

ロンリープラネット：世界を旅する人のための信頼できるガイド

ロンリープラネットは、旅行ガイドブックシリーズと、その出版元である出版社の名称です。1973年、トニーとモーリーン・ウィーラー夫妻によるユーラシア大陸横断旅行記『Across Asia on the Cheap』から始まりました。現在では、世界118の国と地域を網羅する650冊以上のガイドブックを発行し、英語旅行ガイドブック市場の25%という圧倒的なシェアを誇ります。日本の都市では福岡が2023年注目すべき旅行先として唯一選ばれるなど、世界中の旅行者から信頼を集めています。

多様なシリーズと多言語対応

ロンリープラネットのガイドブックは、南極大陸からユーラシア大陸横断ルートといった、多様な地域を網羅しています。それぞれの地域の特徴を捉えた詳細な情報が提供されており、単なる観光情報にとどまらず、歴史、文化、気候、言語など、旅の計画に役立つ多角的な情報を網羅しています。

英語を基盤としながら、フランス語、ドイツ語、日本語、韓国語など15言語以上に翻訳されており、世界中の旅行者が利用できます。日本語版は、1990年からマガジンハウス、2003年からメディアファクトリーによって出版されています。

グローバルな企業体制

オーストラリアのメルボルンを事実上の本社とし、アメリカ合衆国オークランド、イギリス・ロンドンにも拠点を持ち、400名以上の従業員が世界中から集まっています。ガイドブック以外にも、写真集や旅行会話集などを出版しており、Lonely Planet TVというテレビ番組も制作するなど、旅行関連コンテンツを多角的に展開しています。

社名の由来：偶然の産物から生まれた名

「ロンリープラネット」という社名、そしてガイドブックのタイトルは、マシュー・ムーアの楽曲「スペース・キャプテン」の一節に由来します。ウィーラー夫妻がイタリアンレストランで新ガイドブックの名称を検討していた際、トニーが歌詞を間違えて「lovely planet（美しい惑星）」を「lonely planet（孤独な惑星）」と歌ったことがきっかけでした。しかし、この誤った歌詞の方が響きが良いと感じ、現在の社名、そしてブランド名となったのです。

正確性と客観性を重視する編集方針

ロンリープラネットのガイドブックは、写真よりもテキスト情報を重視し、地域の歴史、文化、気候、言語といった基本情報を網羅しています。地図も簡素なものですが、必要な情報は正確に記載されています。

大きな特徴として、ヒッチハイク情報や安宿、キャンプ場などの情報も充実しており、個人旅行者にとって非常に有益な情報が提供されています。また、書籍版には一切広告やタイアップ記事を掲載せず、客観的な情報を提供することに尽力しています。執筆者には、現地在住者や実際にその地域を旅した経験を持つ者が複数人参加し、ツアー会社などからの便宜や賄賂を受け取った場合は解雇の対象となります。この徹底した姿勢は、ロンリープラネットの信頼性の高さの証となっています。（インターネット版に関しては、特定の条件下で広告掲載が行われています。）

歴史：新婚旅行から生まれたベストセラー

ロンリープラネットの歴史は、1970年、ロンドンの公園で出会ったトニーとモーリーン・ウィーラー夫妻の出会いに始まります。旅行好きの2人は翌年結婚し、1972年にユーラシア大陸を横断する新婚旅行に出かけます。この旅行で得た経験と記録をもとに、1973年に『Across Asia on the Cheap』を自費出版。わずか94ページのホチキス留めされただけの本でしたが、発売後1週間で1500部を売り切る大ヒットとなりました。

その後も東南アジア、ネパール、オーストラリアなど、世界各地を旅しながらガイドブックを出版し続け、現在に至ります。日本ではメディアファクトリーから主要な観光地を網羅したガイドブックが多数出版され、2007年にはMSNトラベルと提携し、ウェブ上でも情報提供を開始するなど、常に新しい展開を続けています。

数多くのガイドブック

ロンリープラネットは、アフリカ、アジア、北アメリカ、中南米、ヨーロッパ、オセアニア、中東、南極大陸など、世界中の多くの地域を網羅したガイドブックを出版しています。それぞれの地域、国、都市ごとに詳細な情報が提供されており、旅行計画を立てる上で非常に役立つでしょう。

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