ラハシア

ダンジョンズ&ドラゴンズ モジュール『ラハシア』

『ラハシア』(Rahasia)は、ダンジョンズ&ドラゴンズ（D&D）ベーシック・ルール・セット向けに、1984年にTSR社から出版された冒険モジュールです。製品番号はTSR 9115。

概要

デザイン: トレイシー・ヒックマン、ローラ・ヒックマン
アートワーク: ジェフ・イーズリー、ティモシー・トルーマン
日本語版: 1987年に『ラハシア』として株式会社新和から出版

プロット

物語は、プレイヤーキャラクターたちが誘拐されたエルフの少女を救出する使命から始まります。

RPGA1版

勇者たちは、神聖なブラックロック神殿に侵入し、呪いを打ち破り、邪悪なラヒブを捕らえなければなりません。

B7 ラハシア版

冒険者たちは、邪悪な聖職者に支配されたエルフ神殿の地下ダンジョンに囚われている、誘拐されたエルフの女性たちを救出しなければなりません。

エルフの村は、ラヒブという暗黒の司祭に脅かされています。彼はすでに村で最も美しい少女たちを誘拐し、彼女たちを解放する代わりに、最も美しいエルフであるラハシア自身が彼の元へ来るよう要求しています。プレイヤーキャラクターは、ラハシアの助けを求める嘆願を知り、この冒険に巻き込まれます。捕らえられた少女たちを解放する唯一の方法は、山の中にひっそりと佇む魔法使いの塔の廃墟の上に建てられた古い神殿に侵入することです。

出版の歴史

『ラハシア』の原型はローラ・ヒックマンによって執筆され、1979年にDaystar West Mediaから32ページの小冊子として出版されました。Daystar West Mediaはトレイシー・ヒックマンの個人出版社であり、『ラハシア』はNight Venturesシリーズの最初のシナリオでした。

ヒックマン夫妻は、共同でデザインした最初の2つの冒険、『ラハシア』と『ファラオ』を私的に出版し、地方レベルで名声を博しました。しかし、トレイシーが共同経営者と事業を始めた際、災難に見舞われます。共同経営者は30,000ドルの不渡り小切手の存在を隠して逃亡。夫妻は破産に追い込まれ、トレイシーは「子供たちの靴を買うため」、TSRにモジュールを売る決意をします。

TSRはモジュールを買い上げるだけでなく、トレイシーをゲームデザイナーとして雇用しました。トレイシーは語ります。「もし私が会社の一員であれば、冒険を出版するのは簡単だろうと言われました。だから、ユタ州からウィスコンシン州へ移ったのです」。

トレイシーとローラ・ヒックマンは『ラハシア』を改訂し、1983年にTSRからRPGA会員限定版として16ページの冊子として出版。1984年には、RPGA1『ラハシア』と第二のトーナメント用モジュールRPGA2『ブラックオパールの瞳』を編集し、B7『ラハシア』として連結された冒険を出版しました。これは32ページの小冊子で、カバーアートはジェフ・イーズリー、本文イラストはイーズリーとティモシー・トルーマンが担当しました。

1987年11月には、株式会社新和が日本語版を出版しています。

このモジュールは後に、1987年の再編集モジュールB1-9『In Search of Adventure』に採用されました。

クレジット

デザイン: トレイシー・ヒックマン、ローラ・ヒックマン
編集: カーチス・スミス
カバーアート: ジェフ・イーズリー
本文イラスト: ジェフ・イーズリー、ティモシー・トルーマン
地図製作: デイビッド・S・「ディーゼル」・ラフォース、デイビッド・C・サザーランド3世
美術指導: ルース・ホイヤー
ISBN: 0-88038-113-2

評価

ウェイン・リーゴンは、『ザ・スペース・ゲーマー』誌73号でこの冒険を評価し、「興味深い複雑な神殿と良い物語の組み合わせが、このモジュールを素晴らしいものにしている。敵役はうまく描写されており、明確な目的を持っている」と述べています。彼は、敵の殺害に重点を置いておらず、プレイヤーが思考することを余儀なくさせるため、これは全般的に見て良いモジュールであると評価しました。

『ドラゴン』誌128号（1987年12月）のB1-9『In Search of Adventure』のレビューにおいて、ケン・ロルストンは『ラハシア』をこの編集物の中で「2つの非常に素晴らしい冒険」の1つ、「トレイシー・ヒックマンによる優れた低レベル向けFRPGシナリオ」と評しました。

関連情報

クラシック・ダンジョンズ&ドラゴンズ

外部リンク

B7 Rahasia

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