ラバト＝サレ市電

ラバト＝サレ市電について

ラバト＝サレ市電（Tramway de Rabat-Salé）は、モロッコの首都ラバトとその近隣都市サレを結ぶ路面電車です。この市電は、モロッコ国内で初めての路面電車として広まり、現在では2つの主要な路線が運行されています。具体的には、L1とL2の2路線があり、合計で43の停留場を設けており、観光地へのアクセスも良好です。

歴史

ラバトにおける路面電車の歴史は、20世紀初頭に遡ります。1924年には蒸気機関車とガソリン車によって運行される路面電車が存在しましたが、1930年にはその運行が終了しました。現代のラバト＝サレ市電の運営は、たった数年前の2011年に始まり、以来市民や観光客に便利な交通手段を提供しています。

2011年5月23日、1号線（L1）がMadinat al IrfaneからHay Karimaまでの区間が開通するとともに、2号線（L2）もBab chellahからHassan IIまでの運行が開始されました。その後、2022年2月16日には、L2線のMoulay Youseff病院からYacoub El Mansour間、さらにHassan IIからMoulay Abdellah病院間の新たな区間が開通し、市内交通網がさらに充実しました。

路線詳細

L1

1号線（L1）は、ラバトの中心部であるMadinat al Irfaneから始まり、ラバト・ヴィル駅やラバト王宮、ハッサン塔、さらにはサレ・ヴィル駅を通り抜けて、サレ市内のHay Karimaに至る路線です。この路線は、21の停留場を持ち、所要時間は約40分です。また、運行頻度は5〜20分ごととなっており、使い勝手の良い交通手段として好評を得ています。

L2

2号線（L2）は、ラバトの沿岸部に位置するYacoub Al Mansourから出発し、ハッサン塔を経てサレ東部のMoulay Abdellah病院までの区間を結んでいます。この路線には26の停留場があり、所要時間は約50分です。運行頻度は9〜20分毎で、日常的に多数の乗客に利用されています。

延伸計画

ラバト＝サレ市電はさらに発展を続けています。現行のL1とL2の延伸が計画されているほか、新しくL3、L4、L6の路線も企画されています。具体的な計画には、L1とL2を結ぶ約2kmの支線が高速鉄道LGVのラバト・アグダール駅に接続される構想があります。

さらに、L2はYacoub Al Mansourからラバト西部方向への約4km、Moulay Abdellah病院からサレ州のサレ・アル・ジャディーダへ向かう約6kmの延伸も予定されています。新しいL3路線はテマラまでの約13km、L4はYoussoufiaに向かう約7km、そしてL6はラバト南部の新市街に至る約4kmが建設計画として盛り込まれています。

結論

ラバト＝サレ市電は、モロッコの交通体系において重要な役割を果たしつつあり、都市の発展に寄与しています。観光地へのアクセスが容易な上、今後の路線延伸によってさらに利便性が向上することが期待されています。

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