ラピドKL

ラピドKL：クアラルンプールの公共交通を担う

ラピドKL（RapidKL）は、マレーシアの首都クアラルンプールとその周辺地域において、重要な役割を果たす公共交通システムです。正式名称を「Rangkaian Pengangkutan Integrasi Deras Sdn Bhd」といい、「高速統合交通網」を意味します。このシステムは、鉄道網とバス網を組み合わせることで、広範囲な地域をカバーし、市民の足として不可欠な存在となっています。

運営と設立

ラピドKLは、マレーシア財務省傘下の交通インフラ事業会社であるプラサラナ・マレーシアによって運営されています。2004年7月に設立され、クアラルンプールを拠点としています。

鉄道網

ラピドKLの鉄道網は、ライトメトロ（LRT）、モノレール、都市鉄道（MRT）の3種類で構成されています。2023年10月現在、6つの路線が運行中で、さらにLRTとMRTの各1路線が建設中です。

運行中の路線

ライトメトロ（LRT）: 3路線
モノレール: 1路線
都市鉄道（MRT）: 2路線

特に、3号線と4号線は、スントゥル・ティムール駅～チャン・ソウ・リン駅間の11駅で共通区間を形成しています。また、9号線スンガイ・ブロー・カジャン線は、2段階に分けて開業しました。第1工区（スンガイ・ブロー駅～セマンタン駅間）は2016年12月16日、第2工区（セマンタン駅～カジャン駅間）は2017年7月17日に開通しました。

特徴的な路線

5号クラナ・ジャヤ線
9号スンガイ・ブロー・カジャン線

これらの路線には地下区間が含まれており、都市の景観と利便性に配慮した設計となっています。

利用状況

2017年のデータによると、1日の乗客数はLRTが約44万人、モノレールが約6万4千人に達しています。

バス網

ラピドKLのバス網は、クアラルンプールを中心に、以下の4つの区分で路線が展開されています。

B (Bandar): クアラルンプール市内を循環する路線
U (Utama): 郊外と市内中心部を結ぶ路線
T (Tempatan): 郊外内を循環する路線
E (Express): 郊外への急行路線

98路線が運行されており、2017年の1日当たりの乗客数は約49万8千人に上ります。

料金システム

ワンマンバス方式で、料金は前払い制です。B、U路線は一律2RM、T路線は1RMで、乗車時に1日乗車券を受け取ります。同じ記号の路線であれば、1日乗車券で乗り放題となります。E路線は急行で、片道3RM、1日乗車券は5RMです。

BRTサンウェイ線

2015年に運行を開始したバス・ラピッド・トランジット（BRT）路線であるBRTサンウェイ線も、ラピドKLが運営しています。全長5.6km、7つの駅で構成され、サンウェイ地域へのアクセスを向上させています。

子会社

ラピドKLは、ペナン島でバス事業を展開する子会社ラピド・ペナン（Rapid Penang）を保有しています。

まとめ

ラピドKLは、鉄道とバスを組み合わせた総合的な公共交通システムとして、クアラルンプール都市圏の発展に大きく貢献しています。今後も路線の拡充やサービスの向上により、より快適な都市生活を支えることが期待されます。

関連情報
マレーシアの鉄道
ラピドKL公式サイト
プラサラナ・マレーシア公式サイト

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