ラファエル・カリノフスキー

ラファエル・カリノフスキー（1835年 - 1907年）は、ポーランドのカトリック教会カルメル会の修道司祭であり、聖人として知られています。本名はユーゼフです。

生涯

カリノフスキーは、バルト地方のヴィルナ（現在のリトアニア、ヴィリニュス）で生まれました。大学在籍中の1863年、ロシア帝国に対する反乱に加わるため軍隊に入隊します。しかし、1864年にロシア軍に捕らえられ、同志と共にシベリアへと流刑に処されました。シベリアでの過酷な環境下において、カリノフスキーは捕虜となった仲間たちを物心両面から支援し、10年間を過ごしました。

1874年に解放されたカリノフスキーは、ヴィルナの学校で教師として職を得ます。その後、パリで家庭教師として働いた後、オーストリアのリンツにあるカルメル会修道院に入り、「聖ヨゼフのラファエル」として誓願を立てました。司祭に叙階された後は、ポーランドのツァルナにある修道院長に選出され、説教者、霊的指導者として幅広く活躍しました。

1907年、カリノフスキーはヴィドーチェで帰天（死去）しました。彼の死後、教会はその聖性を認め、1990年にローマ教皇ヨハネ・パウロ2世によって列聖されました。

人物

ラファエル・カリノフスキーは、軍人から教師、そして司祭へと転身した特異な経歴の持ち主です。シベリアでの苦難の経験を通して、信仰を深め、人々への奉仕に生涯を捧げました。その献身的な生き方は、多くの人々に感銘を与え、聖人として列聖された後も、その精神は受け継がれています。

カリノフスキーは、困難な状況においても希望を失わず、他者を思いやる心を大切にした人物として記憶されています。彼の生涯は、信仰の力と人間愛の重要性を教えてくれます。

参考文献

* 『カリットへの旅』 トマス・ロアバック著 サンパウロ　2003年

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