ラファエル・カレーラ

ラファエル・カレーラ：グアテマラの独裁者

ラファエル・カレーラ（1814年 - 1865年）は、グアテマラの政治家、軍人であり、保守派のメスティーソ（白人とインディオの混血）の指導者（カウディージョ）として知られています。彼は中央アメリカ連邦共和国に対して反乱を起こし、グアテマラを独立に導き、初代大統領として独裁政治を行いました。

生い立ちと初期のキャリア

カレーラはグアテマラシティの貧しい家庭に生まれ、正規の教育は受けていません。12歳で中央アメリカ軍に入隊し、鼓手としてキャリアをスタートさせましたが、連邦が内戦状態に陥ると急速に昇進しました。1829年に自由主義派のフランシスコ・モラサンがグアテマラシティを占領すると軍を辞め、季節労働者として働きました。

政治的台頭

1830年代、中央アメリカ連邦共和国では自由主義的な改革が進められましたが、これが保守派や教会の強い抵抗を招きました。1837年にコレラが流行すると、聖職者は政府が毒を川に流したという噂を広め、インディオやメスティーソによる大衆蜂起を引き起こしました。カレーラはこの反乱の指導者として台頭し、インディオや聖職者の支持を得て、1838年にグアテマラシティを制圧しました。

1839年3月、カレーラの軍はモラサン軍に勝利し、グアテマラは完全に独立を果たしました。その後、保守派と教会の支持を得て、カレーラは没するまでグアテマラを支配し続けました。

大統領として

1844年、カレーラはグアテマラの大統領に就任し、1847年3月にはグアテマラ共和国の成立を宣言しました。しかし、自由主義派は彼の保守政権を認めず反乱を起こし、カレーラは1848年8月に辞任してメキシコに亡命しました。しかし、自由主義政権は経済問題を解決できず、1849年にカレーラは帰国し、自由主義派の軍を破りました。1851年には再び大統領に就任し、1854年には終身大統領を宣言しました。

政策と影響

カレーラ政権はスペインとの外交関係を改善し、コーヒーの輸出を促進したため、グアテマラの経済状態は改善しました。また、メスティーソや先住民が行政や軍に参加できるようにしました。しかし、彼の政治は独裁的であり、反対勢力に対しては暴力的でした。カトリック教会を復興し、上流階級や聖職者からは支持を得ましたが、自由主義者からは批判されました。

国外では、メキシコによるグアテマラ併合の試みを阻止し、イギリス領ホンジュラスの拡大を防ぎました。また、エルサルバドルやホンジュラスの自由主義政府を転覆させ、保守主義体制を確立させました。

1865年、カレーラは病死し、彼の死後、グアテマラにおける保守派の支配は終焉に向かいました。

評価

ラファエル・カレーラは、グアテマラの歴史において賛否両論のある人物です。彼はグアテマラを独立に導き、経済を改善しましたが、独裁的な政治手法は多くの批判を浴びました。彼の遺産は、現代のグアテマラ社会においても議論の対象となっています。

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