ラブ・エスカレーター

『ラブ・エスカレーター』は、1998年に海月製作所（現ジェリーフィッシュ）から発売された18禁恋愛アニメーションアドベンチャーゲームです。通称「ラブエス」として知られています。本稿では、そのリメイク作品である『LOVERS 〜恋に落ちたら…〜』についても詳しく解説します。

概要（ラブエス）

本作は、背徳的な要素を盛り込んだシナリオ、古美明氏による魅力的なキャラクターデザイン、そして松俊一氏による性描写における豊富なアニメーションパターンが、プレイヤーから高い評価を受けました。しかし、発売までの度重なる延期、そしてPC-9800シリーズの末期にMS-DOS専用で発売されたことでも特筆されます。

当時、OS市場は既にWindows 95への移行を終え、Windows 98の発売も間近に迫っていました。PC-9800シリーズ向けのゲーム市場は、アダルト・一般向け共にほぼ消滅していたため、「PC98最後のエロゲー」という称号が一部ファンから贈られるほどでした。

しかし、『ラブ・エスカレーター』は、そのような逆境の中、高いセールスを記録し、その評価を確立しました。この結果は、後のジェリーフィッシュ作品である『LOVERS 〜恋に落ちたら…〜』へと繋がっていきます。

ストーリー

主人公の黒崎崇は、親友の脇谷徹から、河合理恵との仲を取り持ってほしいと頼まれます。理恵は、崇の中学時代の同級生であり、秘かに想いを寄せていた女性でした。親友の頼みを断れない崇は、自らの気持ちを押し殺し、理恵に近づきます。

しかし、理恵もまた、中学時代から崇のことを想っていたことが判明します。互いの気持ちを知った二人は、脇谷に内緒で交際を始めます。抑えきれない想いは、やがて二人の身体を重ね合わせることに。

親友への裏切りという背徳感に苛まれながらも、関係を深めていく崇と理恵。理恵は、次第に性の喜びに目覚め、自ら身体を開くようになります。物語は、山本のり子や大沢ひな子といった他の女性たちとの関係も交えながら、複雑に展開していきます。

崇と理恵の恋、そして崇と脇谷の友情。エスカレーターのように加速していく関係の結末は、一体どこへ向かうのでしょうか。

登場人物

黒崎崇
主人公。名前は変更可能です。中学時代から理恵に想いを寄せていましたが、告白できずにいました。脇谷から理恵との仲を取り持つよう頼まれたことをきっかけに、彼女への想いが再燃します。
河合理恵
本作のヒロイン。声：静木亜美。崇とは中学が一緒で、高校ではテニス部に所属。脇谷に好意を寄せられますが、実は崇のことを一途に想っています。
山本のり子
声：三五美奈子。サブヒロインの一人。ファッションモデルを目指す短大生で、洗練されたプロポーションと色気を持ち合わせています。
大沢ひな子
声：藤田夏海。サブヒロインの一人。幼い容姿と体型を持つロリータ系ですが、精神年齢は高く、小悪魔的な性格です。
田代美紀
声：友永朱音。軽薄な印象を与える茶髪の女性ですが、根は純情です。ある出来事をきっかけに脇谷に惹かれていきます。
佐倉真由美
声：伊藤瞳子。理恵の友人であり、成績優秀な優等生。崇や脇谷のようなタイプを軽蔑しており、理恵と崇の関係を認めません。
脇谷徹
崇の親友。お人好しな性格ですが、時に無理難題を押し付けてくることも。理恵に一目惚れし、崇に仲介を頼みます。

LOVERS 〜恋に落ちたら…〜

『LOVERS 〜恋に落ちたら…〜』は、2003年にジェリーフィッシュから発売された『ラブ・エスカレーター』のリメイク作品です。

オリジナル版で評価の高かった崇と理恵のセックスシーンは、フルリメイクとはならず、初体験シーンのみが完全新作となりました。その他は、『ラブエス』の原画をCG化したものが大半を占めています。しかし、初体験シーンのアニメーションクオリティは高く、ボイスが追加されたこともあり、高い評価を受けています。

また、オリジナル版と同様に発売日が延期を繰り返し、一時的に検索サイトで「延期」と検索すると、本作の発売日延期のお知らせが上位に表示されるほど話題となりました。

2007年には、DVD-ROM版『LOVERS 〜恋に落ちたら…〜 PREMIUM PACK』が発売され、Windows Vistaへの対応や豪華特典が追加されました。その後、ダウンロード販売やPSP版もリリースされています。

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