ラブ島

ラブ島の魅力と歴史

ラブ島（ラブとう）は、クロアチアのアドリア海北部に位置し、プリモリェ＝ゴルスキ・コタル郡に属する島です。島の長さは南北に約22キロメートル、面積は93.6平方キロメートルで、2001年のデータによると人口は9,480人を数えます。ラブ島の最高峰はカメニャク（Kamenjak）で、その高さは408メートルです。島の地形は多様性に富んでおり、北東部は主に不毛なカルスト地帯、南東部にはオークの森林が広がっています。また、ラブ島は本土と隣接するクルク島を結ぶフェリー便が運航されており、アクセスも良好です。

歴史

ラブ島の歴史は非常に古く、紀元前360年にイリュリア人の支配下にあった時代から記録が残っています。その後、リブルニア人やローマ帝国によって統治され、特にローマの皇帝アウグストゥスによって城壁が築かれ、自治権を持つムニキピウムの称号が与えられました。ここから、ラブ島は重要な文化的、歴史的拠点となりました。

特筆すべきは、サンマリノの建国者である聖マリヌスがラブ島出身であり、キリスト教徒の迫害から逃れるために島を離れたことです。この逸話が、現在のラブ島とサンマリノとの姉妹都市提携の基盤となっています。

中世のラブ島は、東ローマ帝国に属し、一時的にクロアチア王国の管轄下に置かれましたが、1358年にはハンガリーのアンジュー家の支配を受けることになりました。ルネサンス期には、ヴェネツィア共和国が支配するようになり、この状態はナポレオンの台頭まで続きました。ナポレオンの没落後、1815年にはオーストリア帝国に編入され、1918年まで支配が続きました。

大多数を占めていたイタリア語を話す島民は、イタリア王国との併合を望んでいましたが、最終的に1921年にイタリアはラブ島をユーゴスラビア王国に割譲しました。この動きによって多くのイタリア系住民がイストリア半島やイタリア本土へ移住することになりました。

第二次世界大戦中、イタリアのファシスト政権は島に強制収容所を設けました。カンポル村のかつての収容所跡地には、1953年に記念複合施設が建設され、当時の歴史を伝える場となっています。戦後、島はユーゴスラビア社会主義連邦共和国の一部となり、1991年に独立したクロアチアの一部へと変貌を遂げました。

現在のラブ島

今日のラブ島は、美しい自然と文化的遺産に恵まれた観光地として知られています。観光客や家族連れは、島の美麗な砂浜や文化遺産に引き寄せられ訪れます。特に人気があるイベントは、クロスボウ・トーナメントや中世のお祭り「ラプスカ・フィェーラ（Rapska Fjera）」で、これらの催しは多くの人々に楽しまれています。

姉妹都市

ラブ島は、スロヴェニアのセジャーナやドイツのケーニヒスブルン、サンマリノ市と姉妹都市提携を結んでおり、国際的な交流も行われています。観光を通じてラブ島の歴史や文化を体験しながら、多くの旅行者がこの美しい島を訪れています。

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