ラプチュアー

ラプチュアー (Rapture)

概要

ブロンディの「ラプチュアー」は、1980年にリリースされたアルバム『オートアメリカン』に収録された楽曲で、1981年にシングルとしても登場しました。曲はBillboard Hot 100で1位を獲得し、2週間にわたりその位置を保ちました。この曲は、ラップを取り入れた音楽として初めて全米チャートで首位を獲得したもので、ヒップホップの文化をポップミュージックに融合させた重要な作品です。

「ラプチュアー」は、ディスコやファンク、ヒップホップなどの要素が組み合わされています。特に、ラップ部分の展開が特徴的であり、曲名にはラップを象徴する「ラップ」という言葉が含まれています。また、歌詞にはヒップホップの先駆者であるファブ・ファイブ・フレディやグランドマスター・フラッシュの名前が登場します。これにより、ヒップホップ文化とのつながりを意図的に強調しています。

ミュージック・ビデオ

この曲のミュージック・ビデオは、1981年1月31日にテレビ番組『Solid Gold』で初めて放送され、MTVで放送されたラップ曲としては最初のものとなりました。舞台はマンハッタンのイースト・ヴィレッジで、ダンサーのウィリアム・バーンズが「火星から来た男」や「ブードゥー神」として登場します。バーンズは振付も手がけており、ビデオはワンテイクで撮影されています。デボラ・ハリーがストリートを進みながら踊り、行き交う人々やアートを背景に、とても独特で幻想的な映像が展開されます。

ビデオにはファブ・ファイブ・フレディや、映画『ワイルド・スタイル』で知られるグラフィティ・アーティストのリー・キュノネス、アーティストのジャン＝ミシェル・バスキアがカメオ出演します。バスキアは急遽DJ役として出演し、映像の中で印象的な存在感を放っています。音楽的には、イギリス盤7インチ・シングルのバージョンが使用されています。

様々なバージョン

「ラプチュアー」は異なるバージョンが存在します。アメリカの7インチと12インチシングルは内容が異なり、またイギリス盤も同様にリミックスが施されています。特にスペシャル・ディスコ・ミックスは、長いイントロと新たに録音されたパーカッションなどが特徴で、通常のバージョンに比べおよそ10分の長さに膨らんでいます。また、1981年のコンピレーションアルバム『軌跡!ザ・ベスト・オブ・ブロンディ』にも、歌詞が追加されたバージョンが収録されています。

2014年には、ブロンディが新録音を行い、コンピレーションアルバム『Greatest Hits Deluxe Redux』に収録されています。このアルバムはバンド結成40周年を記念するもので、オリジナルの「ラプチュアー」とともに新たなアレンジが加わりました。

リミックス

最初の公式リミックスは1988年に登場しましたが、1994年に改めてリミックスが行われ、米英両国でリリースされました。このバージョンは『ビルボード』の「Hot Dance Club Play」チャートで上位に入り、話題を呼びました。さらに、リミックスはアルバム『The Platinum Collection』や『Beautiful: The Remix Album』に収録されています。

カバーや影響

「ラプチュアー」は多くのアーティストにカバーされ、影響を与え続けています。たとえば、グランドマスター・フラッシュは自身の楽曲にサンプリングを取り入れ、ウォンGやKRS・ワンもリミックスやサンプリングでこの曲の影響を受けています。デスティニーズ・チャイルド、イレイジャー、アリシア・キーズなど、多くのアーティストがこの曲をカバーし、現代の音楽シーンにおいてもその影響は感じられます。

このように、「ラプチュアー」はブロンディの代表作としてだけでなく、音楽史においても重要な位置を占める曲です。ジャンルを超えて多くのアーティストに影響を与え、今なお新たな解釈が生まれている点において、クラシックな地位を確立しています。

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