ララ物資

ララ物資とは

ララ物資（ララぶっし）は、アジア救援公認団体（英語: LARA; Licensed Agencies for Relief in Asia）が戦後日本に向けて提供した支援物資のことです。この取り組みは、1946年1月に日系人の浅野七之助によって設立された「日本難民救済会」と、ニユーヨークで安井關治が立ち上げた「日本救援紐育委員会」を母体としています。

設立の背景

日本は第二次世界大戦後の混乱期にあり、アメリカでは対外的な慈善活動がヨーロッパへの支援に特化していたため、日本への援助は手薄でした。そこで、両団体の活動を統合する形でアジア救援公認団体が設立され、日本に必要な医療、食料、衣料品を迅速に届けることが求められました。団体設立の際には、知日派のキリスト教徒たちの協力も大きな役割を果たしました。

援助の内容と規模

1946年の11月から1952年の6月までの間に、ララ物資は約3300万ポンドに及ぶ物資を日本に送付しました。これには食糧が75.3%、衣料品が19.7%、医薬品が0.5%、その他が4.4%の割合で含まれていました。また、乳牛や2,000頭を超える山羊も支援の一環として贈られました。この活動は、世界中の民間人や団体からの支援に支えられており、その総費用は明確には知れませんが、当時の金額で400億円とも言われています。特に多くの支援は、広島や山口、熊本、福岡の出身の日系人によって集められました。

社会的影響

当時、日本の物資は不足しており、特に1945年の冬から翌年にかけては配給制度が厳しくなり、窮乏した生活が続いていました。しかし、ララ物資の届けられた食料は次第に状況を改善し、戦後の学校給食制度の導入にも寄与しました。中には、当時の日本人にとっての嗜好に合わなかった食材もあり、その一部に脱脂粉乳が含まれていましたが、栄養価は高い評価を受けていました。

感謝の意を表す活動

ララ物資に感謝するために、1950年にはアメリカの人々に感謝の意を伝える女性の親善使節が派遣されました。この際、「日本ミスコンテスト」が初めて開催され、第一回のミスには昭和の名女優、山本富士子が選ばれました。

歴史的なマイルストーン

ララ物資の支援活動は以下の重要な出来事に結びついています：

• - 1946年11月30日：第一便（ハワード・スタンズペリー号）が横浜港に到着。
• - 1946年12月24日：東京都において贈呈式が行われる。
• - 1947年7月31日：国会において日本の支援に関する感謝決議が全会一致で可決。
• - 1948年：主要な都市の保育所でララ物資による給食がスタート。
• - 1952年：ララ物資の支援は終了。
• - 1997年：外務省が関連資料を公開。
• - 2001年：横浜でララ物資への感謝を示す記念碑が除幕され、香淳皇后の詩が刻まれている。

結論

ララ物資は、戦後日本の復興において重要な役割を果たしました。それぞれの資源が日本の人々の生活を支えた結果、経済や社会の安定にも寄与することとなり、今日でもその歴史を振り返り感謝の意を示す活動が続いています。

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