ラリサ県

ラリサ県：ギリシャ中部の歴史と自然豊かな地域

ギリシャ中部に位置するラリサ県（ギリシャ語: Περιφερειακή ενότητα Λαρίσας）は、テッサリア地方最大の県であり、その面積はギリシャ国内で2番目の広さを誇ります。県都はラリサ市です。北緯39度40分、東経22度30分に位置し、多様な地理的特徴と豊かな歴史、そして活気ある現代社会が共存する魅力的な地域です。

多様な地形と豊かな自然

ラリサ県の地形は多様性に富んでいます。県の中央部と南西部、西部、南東部には、テッサリア平原と呼ばれる肥沃な平地が広がり、農業が盛んに行われています。一方、北部と北西部、南部には深い森が広がり、豊かな自然を育んでいます。また、ギリシャ最高峰のオリンボス山（標高2,917m）も県内に含まれ、壮大な山岳風景を形成しています。東部と南東部、オリンボス山周辺は不毛な岩地となっています。ピニオス川は県北東部を流れ、有名なテンビ渓谷を形成しています。県南部にはヴィヴィ湖という潟湖があり、テッサリア平原とピリオ山脈を隔て、マグニシア県との県境の一部をなしています。

気候

ラリサ県の気候は、主に地中海性気候に属し、夏は暑く乾燥し、冬は比較的温暖です。しかし、オリンボス山などの山岳地帯では、冬は厳しい寒さに見舞われます。過去には、最高気温45.2℃、最低気温-21.6℃が記録されています。

悠久の歴史

ラリサ県の歴史は古く、古代にはペラスゴイ人が居住していました。その後、ギリシア人と同化し、マケドニア王国の支配下に入り、さらにローマ帝国、東ローマ帝国、オスマン帝国の支配を経験しました。ギリシャ独立戦争においても、テッサリア地方では反乱が発生しましたが、オスマン帝国の支配は継続されました。1878年のベルリン会議でギリシャ領と認められ、1881年にギリシャ王国に編入されると、ラリサ県が設置されました。

1912年から1913年の第一次バルカン戦争後、現在のラリサ県全域がギリシャ領となりました。ギリシャ王国編入後は、1940年代まで経済が成長しましたが、1920年から1922年の希土戦争では小アジアからの避難民が流入し、第二次世界大戦と続くギリシャ内戦ではインフラストラクチャーが壊滅的な被害を受けました。1947年にはマグニシア県がラリサ県から分割されました。1950年代以降は交通網整備が進み、1957年には国道1号線が開通、1970年代にはテレビが普及、1984年にはテッサリア大学が設立されるなど、現代化が進みました。

経済

1970年代以降、ラリサ県の経済は製造業、サービス業、商業が中心となっていますが、農業も重要な産業です。特にテッサリア平原ではスイカ、メロンなどの果物やトマト、ジャガイモなどの野菜、綿花、肉牛などが生産され、農業生産の中心地として知られています。

行政区画

ラリサ県は複数の自治体（ディモス）から構成されています。2011年のカリクラティス改革により、行政区分が再編されました。改革以前は、いくつかの基礎自治体（ディモス）とキノティタから構成されており、改革後は、新たなディモスが設立され、旧自治体は新自治体を構成する行政区（ディモティキ・エノティタ）となりました。また、かつて存在した5つの郡（エパルヒア）は、2006年以降法的な位置づけはなくなっています。

交通

ラリサ県には、国道1号線（欧州自動車道路E75号線）をはじめ、国道3号線、6号線、13号線、26号線、30号線など、主要な道路網が整備されています。

スポーツ

ラリサ県には、サッカークラブのAEL 1964や、バスケットボールクラブのオリンビア・ラリサBC、AEL 1964 BCなど、活気あるスポーツシーンがあります。

まとめ

ラリサ県は、豊かな歴史と自然、そして現代的な都市機能が調和した魅力的な地域です。肥沃な平原と雄大な山々、そして古代から続く歴史的遺産は、訪れる人々を魅了します。農業、製造業、商業が盛んな経済活動も、この地域の活力を示しています。

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