ラリー・スティール

ラリー・ネルソン・スティール（Larry Nelson Steele、1949年5月5日 - ）は、アメリカ合衆国出身の元プロバスケットボール選手であり、指導者としても活動しました。身長196cm、体重81kgと恵まれた体格を持ち、主にシューティングガードとして活躍しました。

スティールはインディアナ州グリーンキャッスルで生まれ、名門ケンタッキー大学に進学。大学時代には3年間で平均10.4得点、6.7リバウンドを記録し、その才能を開花させました。1971年のNBAドラフトでは全体37位でポートランド・トレイルブレイザーズから指名を受け、ABAドラフトでもケンタッキー・カーネルズから指名を受けましたが、NBA入りを選択しました。

プロ3年目の1973-74シーズン、スティールはチームの主力として頭角を現します。このシーズンからNBAでスティールとブロックショットが公式に記録されるようになり、スティールは平均2.68スティールを記録し、初代スティール王に輝きました。その高い守備能力はリーグでも際立っており、翌1974-75シーズンにも平均2.41スティールでリーグ2位に入っています。

1976-77シーズンには、スティールは自己最高の平均10.3得点を記録し、チームのプレーオフ進出に大きく貢献しました。ビル・ウォルトンやモーリス・ルーカスといった名選手を擁したブレイザーズは、ファイナルまで勝ち進み、フィラデルフィア・76ersを4勝2敗で破り、球団史上初のNBA制覇を成し遂げました。スティールはファイナルで5試合に出場し、平均3.8得点を記録し、チームの勝利に貢献しました。

しかし、1979-80シーズン途中に膝の負傷に見舞われ、惜しまれつつも現役を引退。NBAでの通算成績は、610試合に出場、5,009得点、1,719アシスト、847スティール（平均8.2得点、2.8アシスト、1.79スティール）でした。

スティールのブレイザーズへの貢献は非常に大きく、1981年には彼の背番号『15』がブレイザーズの永久欠番に指定されました。これは、彼の功績が球団の歴史に深く刻まれた証と言えるでしょう。

引退後は指導者としての道を歩み、1987年から1994年までポートランド大学のヘッドコーチを務めました。コーチとしての戦績は通算56勝141敗、勝率.284でした。

スティールは、卓越したディフェンス能力とチームへの献身的な姿勢で、ブレイザーズの黄金時代を支えた名選手として、ファンの記憶に深く刻まれています。

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