ラルフ・アバークロンビー (軍人)

サー・ラルフ・アバークロンビーの生涯と功績

サー・ラルフ・アバークロンビーは1734年10月7日にスコットランドのタリバディで生まれた、イギリス陸軍の中将である。彼はナポレオン戦争期間中にその卓越した指揮能力で知られ、数多くの戦闘で成功を収めた人物だ。

生い立ちと教育

a アバークロンビーはジョージ・アバークロンビーの長男として誕生し、ラグビー校とエディンバラ大学で学んだ。1754年にはスコットランドの弁護士を目指してライプツィヒに留学したが、帰国後に彼が選んだのは軍隊の道だった。1756年、彼はコルネットとして第3近衛竜騎兵連隊に入隊し、七年戦争に従軍した。この経験の中で彼はプロイセン軍の戦術に強く感銘を受け、以後の軍事キャリアに大いに影響を与えた。

軍事キャリアの始まり

アバークロンビーは昇進を重ね、1773年には連隊中佐に就任した。1781年にはキングズ・アイリッシュ歩兵連隊の大佐となるが、1783年に連隊が解散したため一時的に半額給の休職となる。彼はアメリカ独立戦争に対して共感を抱いており、この時期にはほとんど何も経験していなかったが、その後1793年にフランスがイギリスに宣戦布告したことを機に軍への復帰を決意する。

ナポレオン戦争と戦績

1793年、アバークロンビーはヨーク・オールバニ公配下でオランダに派遣され、前進部隊を率いて戦った。彼の戦功が認められ、1795年にはバス勲爵士に叙勲される。西インド諸島ではイギリス軍総司令官に就任し、グレナダ、デメララ、セントルシアなどを攻略した。また、1797年にはプエルトリコに対する大規模な侵攻を指揮したが、激しい抵抗に遭い撤退を余儀なくされた。

アイルランドでの任務と辞任

1797年から1798年にかけて、アイルランドにおいて制圧の任務を担ったが、政治との対立により辞任することになった。彼は反乱の防止に尽力したが、政府からのサポートが不足しており、有名な1798年アイルランド反乱を防げなかった。

エジプトへの派遣と戦死

1801年、アバークロンビーはエジプトに派遣され、アブキールへの上陸を指揮した。これによりイギリス陸軍にとって歴史的な成功を収める。しかし、勝利の直後に受けた致命傷が原因で1801年3月28日にアレクサンドリアで死去。彼の功績は世界中で称賛され、遺体はマルタ島の聖ヨハネ騎士団の領地に埋葬された。

遺族と影響

アバークロンビーは1767年にメアリー・アン・メンジーズと結婚し、四男三女をもうけた。彼の死後、彼の栄誉を称える記念碑がセント・ポール大聖堂に建てられるなど、彼の影響力は今天も残っている。彼の生涯を通じての功績は、イギリス軍史の中でも特に重要な位置を占めている。

もう一度検索