ラングラー (ジーンズ)

ラングラー（Wrangler）

ラングラーは、リーバイス、リーと並び、アメリカの3大ジーンズブランドとして世界中で知られています。元々は、作業着メーカーのブルーベル社のウエスタンウエア部門から生まれたブランドで、現在は大手アパレル企業VF Corporationが所有しています。

歴史

ラングラーの起源は、1904年にC.C.ハドソンが創業したハドソン・オーバーオール・カンパニーに遡ります。この会社は事業拡大を経てブルーベル社と社名変更し、1943年に「ラングラー」の商標を持つケーシー・ジョーンズ・カンパニーを買収しました。その後、1986年にブルーベル社はVFコーポレーションに買収され、その歴史に幕を閉じました。

特徴

ブランド創設時には、ハリウッド西部劇の衣装デザイナーであったロデオ・ベンが参画し、ジーンズにテーラード・カッティングとファッション性を取り入れました。これにより、ラングラーは単なる作業着から、ファッションアイテムとしての地位を確立しました。

ラングラーのジーンズは、カウボーイやロデオライダーのために、様々な工夫が凝らされています。例えば、鞍（サドル）を傷つけないようにリベットの突起をなくしたり、サドルに座った状態で快適に過ごせるように股上を深くしたりしています。また、ウエスタン独特の大きなバックルが装着しやすいように、前面のベルトループの幅が広くなっているのも特徴です。

代表的なモデルとしては、オリジナル・スタンダードの11MW、ロデオ協会公認の13MWZ（ブロークン・デニム採用）、ファッション性を重視したスリムタイプの936などがあります。また、20Xというファッション性を重視したブランドも展開されています。ジーンズ・ジャケットの111MJは、ジョン・レノンが愛用していたことで有名です。

日本での展開

日本では1971年に、ヴァンヂャケット、東洋紡、三菱商事らの出資により「ラングラー・ジャパン」が設立され、国内向けのライセンス製品が展開されました。創立者は、ヴァンヂャケットの石津謙介が若い頃に働いていた大川洋行を立ち上げた大川正雄の弟、大川照雄です。

ラングラー・ジャパンでは、石津謙介がフランスで見た完全漂白のジーンズをヒントに、独自商品の「アイス・ウォッシュ」デニムを開発しました。その後、「ラングラー・ジャパン」はVFジャパンと社名を変更しましたが、2000年に解散しました。現在、日本におけるラングラーブランドの商品権利はエドウイン傘下のLee Japanが保持しています。

マーベリック

ブルーベル社は、ラングラーの他に、量販流通向けのウエスタン ジーンズ・ブランドとしてマーベリック（MAVERICK）も展開していました。マーベリックのポケットステッチは「M」の意匠が用いられていました。

まとめ

ラングラーは、その機能性とファッション性から、カウボーイやロデオライダーだけでなく、幅広い層に愛されるジーンズブランドです。その歴史と伝統は、現代のファッションにも息づいています。

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