ランシステム

株式会社ランシステム：複合カフェのパイオニアからシステム開発企業へ

株式会社ランシステムは、神奈川県横浜市に本社を置き、埼玉県狭山市に登記上の本店を置く企業です。AOKIホールディングスの子会社として、複合カフェ事業を中核に、システム開発事業も展開しています。その歴史は、1985年、創業者の田中千一氏が埼玉県狭山市でレンタルレコード店『友＆愛』を開業したことに始まります。

複合カフェ事業の拡大

当初はレンタルレコード店としてスタートしたランシステムですが、その後、事業を多角化し、現在では主力事業である複合カフェ『スペースクリエイト自遊空間』を全国展開しています。2004年にはJASDAQ市場に上場を果たし、業界における地位を確固たるものとしました。

『スペースクリエイト自遊空間』の特徴は、その会員制と多様なサービスです。会員登録（初回入会金310円、ただし条件を満たせば無料）により、全国の店舗（一部を除く）を利用可能となります。店内には、漫画や雑誌の閲覧コーナー、インターネット接続可能なパソコン、ゲーム機、ドリンクバーなどの設備が整い、カラオケやビリヤード、ダーツといったエンターテイメント施設を備えた店舗もあります。さらに、軽食や洋食メニューも提供しており、利用客のニーズに応える多彩なサービスが展開されています。

近年では、『スペースクリエイト自遊空間』に加え、新規業態としてカプセルホテルと漫画喫茶を融合させた『Comics ＆ Capsule Hotel コミカプ』も展開しています。また、かつては『Moopa!』『リバティハウス』『コミカ』といった複合カフェも運営していましたが、これらは『スペースクリエイト自遊空間』に順次リニューアルされています。

幾多の変遷と成長

ランシステムの歴史は、順風満帆ではありませんでした。2005年には、フランチャイズ契約を締結していた株式会社マルカワの民事再生法適用申請を受け、事業譲受のため子会社を設立するなど、困難を乗り越えてきました。また、創業者の急逝や、債務超過による経営危機といった出来事も経験しています。しかし、これらの困難を乗り越え、2022年にはAOKIホールディングスがランシステムの親会社となり、新たなステージへと進んでいます。

システム開発事業

ランシステムは、複合カフェ事業で培ってきたノウハウを活かし、入会システム、POSシステム、入退場システム、飲食注文システムといった他業態でも利用可能なシステム開発・販売事業も展開しています。カラオケチェーン『カラオケ本舗まねきねこ』などを運営するコシダカホールディングスなどにもシステムが導入されています。

店舗展開と過去店舗

『スペースクリエイト自遊空間』は、2024年3月31日時点で全国92店舗（直営39店舗、FC53店舗）を展開しています。過去には、北海道から九州まで、多くの店舗が運営されていましたが、時代の変化や経営戦略の変更に伴い、現在では営業を終了した店舗も数多く存在します。

まとめ

株式会社ランシステムは、レンタルレコード店から始まった歴史、複合カフェ事業の成功と苦難、そしてシステム開発への進出など、多様な展開を見せてきた企業です。AOKIホールディングス傘下となり、更なる発展が期待されています。その歩みには、日本の複合カフェ業界の歴史と発展が凝縮されていると言えるでしょう。

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