ランジャタイによりますと

北日本放送（KNB）で放送されている『ランジャタイによりますと』は、お笑いコンビ・ランジャタイをメインに据えたローカルバラエティ番組シリーズである。富山県出身の国崎和也（ランジャタイ）が、自身のルーツである富山県を舞台に、相方の伊藤幸司（番組途中まで）や、フリーアナウンサーの柴田泰佳と共に、県内の様々な場所を巡るロケ企画として展開されている。

番組は2022年 10月7日、KNB金曜夜の情報番組『ワンエフ』内のVTRコーナー『ランジャタイによると』として幕を開けた。一般的な地域の情報番組におけるロケコーナーとは一線を画す、ランジャタイ特有のシュールな世界観が大きな特徴だ。国崎の自由奔放で予測不能な行動と、それを傍観しつつも時に鋭いツッコミを入れる伊藤（当時）、そして二人のペースに巻き込まれながらも番組を進行する柴田アナウンサーという独特の鼎立構造が生み出す化学反応が、視聴者に新鮮な笑いを提供している。

番組開始当初から、KNB公式のYouTubeチャンネルで見逃し配信が行われていたこともあり、富山県内だけでなく、徐々に全国のお笑いファンにもその存在が知られるようになった。ローカル番組の一コーナーでありながら、インターネットを通じて独自のファン層を着実に獲得していったのである。

しかし、番組は一時的な転機を迎える。2024年 8月3日、伊藤幸司の芸能活動休止が発表され、これに伴いテレビでのコーナー放送が当面休止となることが告知された。さらに、同年8月18日に予定されていた特別番組「KNBふるさとスペシャルランジャタイによると夏休み☆SP」も放送中止となった。

約4ヶ月の休止期間を経て、番組は新たな形で再始動する。2024年12月13日、『ワンエフ』内での発表により、番組は『ランジャタイによりますと』と名称を改め、単独のレギュラー番組としてリニューアルすることが決定した。放送時間は毎月第4日曜日の深夜1時00分から15分間（土曜深夜）に変更。このリニューアルに伴い、活動休止中の伊藤は番組レギュラーを降板し、以後は国崎と柴田アナの二人が中心となって番組を進める体制となった。なお、伊藤は2025年4月6日より芸能活動を再開しているが、本番組への復帰は現時点では実現していない。

テレビ版がリニューアルされると同時に、ラジオの世界にも進出。2025年 1月12日からは、KNBラジオにて同名タイトルのラジオ番組がスタートした。毎週日曜日の夜10時から30分間の放送で、こちらもテレビ版同様に国崎和也と柴田泰佳がパーソナリティを務める。ランジャタイにとって、地上波ラジオでの冠レギュラー番組はこれが初となる記念すべき機会となった。富山ローカルの放送ではあるが、radikoのエリアフリーサービスを利用すれば全国どこからでもリアルタイムでの聴取が可能。さらに、YouTubeの公式チャンネルでは、放送終了直後から音声だけでなく映像付きでの見逃し配信も実施されており、様々なスタイルで番組を楽しむことができる。

ラジオ版の代表的なコーナーには「ももげんジャマイカ」がある。このコーナーは、テレビ版初回ロケで柴田アナが、五洲薬品の入浴剤「桃源（とうげん）」を「ももげん」と読み間違えたり、偶然出会った外国人旅行者への質問で「Germany（ドイツ）」を「Jamaica（ジャマイカ）」と聞き間違えたりした自身の失敗談が元になっている。リスナーからは、柴田アナと同様の「うっかり間違えてしまったエピソード」が寄せられ、それを紹介することで柴田アナを慰めるという趣旨で続けられている。

また、テレビ版の展開として、2025年5月19日(18日深夜)の放送では、番組初の公開収録イベント「ランジャタイによりますと壁の中」の開催が発表された。同年7月27日に、富山駅前の商業施設「マリエとやま」内の空きテナントスペースで開催される予定であり、番組のさらなる広がりを示唆している。

テレビとラジオ、それぞれの媒体でランジャタイと柴田アナが生み出す独特な世界観は、今後も富山を拠点に多くのファンを魅了していくことだろう。

もう一度検索