ランドサット7号

ランドサット7号 (Landsat 7) の概要

ランドサット7号は、1999年4月15日に打ち上げられた、アメリカのランドサット計画に属する人工衛星である。この衛星の主な目的は、地球表面の最新の衛星画像を収集し、特に雲のない鮮明な画像を提供することである。アメリカ地質調査所（USGS）がこの計画を管理しており、得られたデータはUSGSを通じて一般に配布されている。また、NASAも関与しており、NASA World Windプロジェクトでは、ランドサット7号から得られた3D画像を一般に提供している。

基本情報

ランドサット7号の設計と開発には5年間がかけられ、1日に532枚の画像を伝送する能力を持つ。この衛星は、太陽同期極軌道を周回しており、地球上の広範囲にわたるエリアを撮影することができる。その運用高度は約705kmに設定されており、地球を232周するのに約16日間を要する。加えて、衛星の重量は1973kg、長さは4.04m、直径は2.74mという仕様だ。また、378ギガビットの固体メモリを搭載しており、これによって大量の画像データを保存できる。主要な撮影機器には、Enhanced Thematic Mapper Plus (ETM+)が採用されている。

Scan Line Corrector の故障

2003年5月31日、ランドサット7号のETM+に搭載されたスキャン走査線補正装置（Scan Line Corrector, SLC）が故障した。SLCは、撮影した画像が互いに整列するように動作する小さな鏡のシステムだが、その故障により撮影データの約22%が失われることとなった。故障後、USGSとNASA、Hughes Santa Barbara Remote Sensingの関係者からなるAnomaly Response Team（ART）が設立され、故障原因の調査を行った。最終的に彼らは、機械的な問題が根本的な原因であると特定した。

その後、USGSのチャールズ・G・グロートは、冗長系の電子回路を用いてETM+を再起動することを決定した。この作業は成功し、2003年9月5日にはETM+が正常に稼働を再開した。しかし、SLCの故障は恒久的なものであり、ARTによる調査では電子的な不具合ではないことが確認された。ランドサット7号は、その後もこのモードでデータを収集し続け、失われたデータは他のデータと組み合わせて補完される形で運用が行われた。

衛星画像とその利用

1998年には、NASAが地球陸上部分をほぼ全てカバーする「Landsat GeoCover」プロジェクトを実施し、企業「EarthSat」がその運営を行った。GeoCoverは、2000年頃にデジタル画像の色調整を行ったEarthSat NaturalVue画像へと発展した。今では、Google MapsやGoogle Earth、MSN Mapsなどの多くのウェブマッピングサービスで、ランドサット7号の画像データが使用されている。

今後の展望

ランドサット7号は、長年にわたり重要な地球観測機器として機能してきたが、後継機の開発も進められている。新しい衛星は、同等、もしくはそれ以上の機能を備えたセンサーを搭載することを目指している。

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