ランドスケープ〜アート・ペッパー・ライヴ・イン・トウキョウ'79

アート・ペッパー、初のライブ・アルバム『ランドスケープ〜アート・ペッパー・ライヴ・イン・トウキョウ'79』

『ランドスケープ〜アート・ペッパー・ライヴ・イン・トウキョウ'79』は、サックス奏者アート・ペッパーが、ジョージ・ケイブルス（ピアノ）、トニー・デュマス（ベース）、ビリー・ヒギンス（ドラムス）という強力なメンバーと共に1979年に東京で録音した、記念すべき初のライブ・アルバムです。このアルバムは、ペッパーの円熟味を増した演奏と、バンドメンバーとの卓越したインタープレイを捉えた貴重な記録として、ジャズファンから高く評価されています。

録音場所とリリース

アルバムは、東京・芝公園にあった東京郵便貯金会館ホールで収録されました。日本のJVCから1979年にLP盤がリリースされた後、1980年以降にはギャラクシー・レコードから欧米各国盤がリリースされ、世界中のジャズ愛好家の間で広く知られるようになりました。

収録曲

アルバムには、ペッパーのオリジナル曲に加え、スタンダードナンバーも収録されており、彼の多彩な音楽性を堪能できます。

(A1) トゥルー・ブルース "True Blues" (Art Pepper)
(A2) サムタイム "Sometime" (Art Pepper)
(A3) ランドスケープ "Landscape" (Art Pepper)
(B1) アヴァロン "Avalon" (Vincent Rose; Al Jolson; Buddy DeSylva)
(B2) 虹の彼方に "Over the Rainbow" (Harold Arlen; E.Y. Harburg)
(B3) ストレイト・ライフ "Straight Life" (Art Pepper)

特に、ペッパーのオリジナル曲である「ランドスケープ」は、彼の内面を深く表現した情感豊かな演奏で、聴く者の心を捉えます。また、「サムタイム」では、ペッパーがクラリネットを演奏しており、彼の意外な一面を知ることができます。スタンダードナンバーである「虹の彼方に」では、ペッパーならではの解釈が光り、美しいメロディを最大限に引き出しています。

参加メンバー

アート・ペッパー - アルト・サックス、クラリネット（「サムタイム」）
ジョージ・ケイブルス - ピアノ
トニー・デュマス - ベース
ビリー・ヒギンス - ドラムス

ペッパーを支えるリズム隊も、それぞれが卓越したテクニックと豊かな音楽性を持っており、ペッパーの演奏を最大限に引き立てています。ジョージ・ケイブルスの繊細かつダイナミックなピアノ、トニー・デュマスの力強く歌心のあるベース、ビリー・ヒギンスの的確かつ創造的なドラムスが一体となり、素晴らしいアンサンブルを繰り広げています。

まとめ

『ランドスケープ〜アート・ペッパー・ライヴ・イン・トウキョウ'79』は、アート・ペッパーのライブ・パフォーマンスの魅力を余すところなく伝えてくれる名盤です。彼の音楽に対する真摯な姿勢と、バンドメンバーとの熱いインタープレイは、聴く者に深い感動を与えます。ジャズファンはもちろん、音楽を愛するすべての人におすすめしたい一枚です。

参考文献

* Richard Cook & Brian Morton. The Penguin Guide to Jazz on CD. Penguin, 4th edition, 1998. ISBN 0-14-051383-3

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