ランフレクシブル (原子力潜水艦)

ランフレクシブル：フランス海軍の不屈の潜水艦

ランフレクシブル(L'Inflexible, S 615)は、フランス海軍に所属していた原子力弾道ミサイル潜水艦です。その艦名はフランス語で「不屈」を意味し、その生涯にふさわしい名と言えるでしょう。ル・ルドゥタブル級原子力潜水艦と艦体が同一であるため、同級の6番艦として扱われることもあります。

建造から就役まで

ランフレクシブルは、フランス海軍の長期軍事力整備計画に基づき、DCNシェルブール工廠で建造されました。起工は1974年4月20日とされていますが、リュビ級原子力潜水艦の優先建造により、1976年6月には建造が中断されました。その後、設計変更を経て1980年3月27日に再起工され、1982年6月23日に進水、そして1985年4月1日に正式に就役しました。配備先はロング島基地です。

建造の中断期間中に、ランフレクシブルは重要な装備の更新を受けました。対艦兵器にはエグゾセミサイルが追加され、潜水艦発射弾道ミサイルは射程の長いものに換装されました。さらに、ソナーシステムも改良されています。これらの改良により、ランフレクシブルは当時の最新の技術を備えた潜水艦として生まれ変わりました。

戦略哨戒任務と退役

ランフレクシブルは、22年間の運用期間中に59回の戦略哨戒任務を遂行しました。その間、約90,000時間も水中での任務に携わったことになります。これは、その任務の危険性と、乗組員の高い熟練度を示すものです。2004年6月からは、フランス陸軍第7アルペン猟兵大隊と提携関係を結び、情報共有などを通して連携を強化しました。長年に渡る活躍の後、ランフレクシブルは2008年1月14日に退役しました。

ランフレクシブルとル・ルドゥタブル級

ランフレクシブルはル・ルドゥタブル級潜水艦と艦体が同一であるものの、建造の中断とその後に行われた設計変更によって、装備やシステムは更新されています。これは、技術革新の速さと、海軍の装備近代化への取り組みを反映していると言えるでしょう。ル・ルドゥタブル級と比較すると、ランフレクシブルはより高度な技術を搭載し、より強力な潜水艦として運用されていたと考えられます。

まとめ

ランフレクシブルは、フランス海軍における重要な戦力として長年活躍した原子力弾道ミサイル潜水艦でした。その艦名である「不屈」は、建造中断という困難を乗り越え、最新鋭の技術を搭載して任務を遂行し続けたその生涯を象徴しています。その22年間の任務と、フランス海軍における貢献は、今後も記憶されるべきでしょう。退役後も、ランフレクシブルは、フランス海軍の歴史における重要な一ページを刻んでいます。

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