ラヴ (バンド)

ラヴ (Love): 伝説のフォークロックバンド

ラヴは、1960年代のアメリカで活動したフォークロックバンドです。アーサー・リーの才能を中心に結成され、革新的な音楽性で時代を先取りしました。活動当時は商業的な成功に恵まれませんでしたが、その音楽は後世のミュージシャンや批評家から高く評価され、特に3rdアルバム『フォーエヴァー・チェンジズ』は、今やロック史に残る名盤として知られています。

バンドの軌跡

1965年、ロサンゼルスの音楽シーンで活動していたアーサー・リーは、ギタリストのブライアン・マクリーンと出会い、THE GRASS ROOTSを結成。エレクトラ・レコードと契約後、既に同名のバンドが存在していたため、バンド名をラヴに改名しました。1966年3月、バカラック/ハル・デヴィッドの楽曲「My Little Red Book」でデビュー。同年、エレクトラ・レコード初のロックアルバムとして、1stアルバム『ラヴ』を発表しました。このアルバムに収録された「ヘイ・ジョー」は、後にジミ・ヘンドリックスがカバーし、広く知られるようになりました。

1966年11月には、2ndアルバム『ダ・カーポ』をリリース。18分にも及ぶ大作「Revelation」など、実験的な楽曲が収録されています。このアルバムからシングルカットされた「7 And 7 Is」は、ラヴにとって唯一の全米トップ40ヒットとなりました。

1967年11月、3rdアルバム『フォーエヴァー・チェンジズ』を発表。当初はニール・ヤングがプロデュースする予定でしたが、ブルース・ボトニックがアーサー・リーとの共同プロデューサーとして制作されました。チャートでは全米154位と振るいませんでしたが、その芸術性は高く評価され、『ローリング・ストーン』誌の「オールタイム・グレイテスト・アルバム500」では40位に選ばれています。

1968年、アーサー・リー以外のメンバーが薬物中毒により活動困難となり、グループを脱退。以降、ラヴはアーサー・リーのソロプロジェクトのような形となりました。ブルー・サム・レコードに移籍後、『Out Here』（1969年）、『False Start』（1970年）を発表。『False Start』には、ジミ・ヘンドリックスが参加しています。

1972年、アーサー・リーがソロ活動を開始したため、ラヴとしての活動は一時停止しますが、その後も何度か再結成を果たします。2003年1月には、ロンドンのロイヤル・フェスティバル・ホールで『フォーエヴァー・チェンジズ』の完全再現ライブが行われました。

2006年、アーサー・リーは白血病と診断され、ロバート・プラント、イアン・ハンター、ライアン・アダムスらによって治療のためのチャリティコンサートが開かれましたが、同年8月3日、テネシー州メンフィスの病院で息を引き取りました。

ラヴの音楽的特徴と影響

ラヴの音楽は、フォーク、ロック、サイケデリックなど、様々な要素が混ざり合った独特のサウンドが特徴です。アーサー・リーのカリスマ性と、革新的な音楽性は、後世のミュージシャンに大きな影響を与えました。特に、『フォーエヴァー・チェンジズ』は、その繊細なメロディと、内省的な歌詞で、多くの人々を魅了し続けています。

ディスコグラフィ

『ラヴ』 - Love (1966年)
『ダ・カーポ』 - Da Capo (1966年)
『フォーエヴァー・チェンジズ』 - Forever Changes (1967年)
Four Sail (1969年)
Out Here (1969年)
False Start (1970年)
Reel to Real (1975年)
Love Live (1980年) ※1978年録音
The Forever Changes Concert* (2003年)

ワーナーミュージック・ジャパン - ラヴ

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