ラヴィン・ユー・ベイビー

ラヴィン・ユー・ベイビー（I Was Made For Lovin' You）

1979年5月にリリースされたキッスのシングル「ラヴィン・ユー・ベイビー」は、同グループの代表曲の一つで、ディスコ・ブームとリンクしたデザインが特徴の楽曲です。特に、この曲はポール・スタンレー、デズモンド・チャイルド、プロデューサーのヴィニ・ポンシアの共作によるもので、キャッチーな16ビートのリズムとハードなギターのサウンドが絶妙に組み合わされています。

この楽曲は、アルバム『地獄からの脱出（Dynasty）』から最初にシングル・カットされ、米ビルボード・シングル・チャートで最高11位まで上昇しました。さらに、ミリオン・セラーを記録し、グループにとってのセカンドゴールドシングルとしても知られています。その影響力は日本、ヨーロッパ、オーストラリアを含む世界中に及び、多くの国でヒットとなりました。

音楽の魅力

「ラヴィン・ユー・ベイビー」は、他のキッスの楽曲とは異なるスタイルを持ち、ディスコ市場を意識した斬新なアプローチが高く評価されています。しかし、当時のドラマー、ピーター・クリスはこの曲のPVやアルバムジャケットには出演しているものの、レコーディングにはほとんど関与しておらず、曲のドラムパートはアントン・フィグによって演奏されています。この点も、ファンにとっては特筆すべき情報の一つです。

キッスが80年代にヘヴィ・メタルへとシフトした後も、この曲はライブで演奏され続けています。その際にはアレンジに変化をつけながらも、オリジナルの魅力を保ったままファンに提供されています。また、ライブアルバム『アライヴ3』にもこの曲が収録されており、当時のラインナップ（ジーン・シモンズ、ポール・スタンレー、ブルース・キューリック、エリック・シンガー）によるパフォーマンスが記録されています。

他のバージョン

「ラヴィン・ユー・ベイビー」は、多くのアーティストによってカバーされています。日本の女性アイドルデュオWinkは1990年にアルバム『Crescent』の中で「悪い夢 ～I Was Made For Loving You～」と改題し、日本語で再制作しました。このカバーは、オリジナル楽曲の愛らしいビートを生かしながら、独自の解釈が加えられています。

さらに、2001年に公開された映画『ムーラン・ルージュ』では、メドレー形式で本曲がユアン・マクレガーとニコール・キッドマンによって披露され、映画のサウンドトラックにも収録されています。このように、「ラヴィン・ユー・ベイビー」は多くの人々に親しまれ続けている重要な楽曲です。

ライブでの展開

日本の歌手、西城秀樹はこの曲をライブパフォーマンスの定番曲として取り入れていました。その中での代表的なライブには、1979年の後楽園球場での『BIG GAME '79 HIDEKI』、1981年の同じく後楽園球場での第4回コンサート『BIG GAME'81 HIDEKI』、さらに1983年の大阪スタヂアムでの『BIG GAME'83 HIDEKI FINAL IN STADIUM CONCERT』があり、多くのファンに愛される存在となっています。

このように、キッスの「ラヴィン・ユー・ベイビー」は、音楽的な影響力や多くのアーティストによるカバー、そしてライブでのパフォーマンスを通じて、時代を超えて愛される楽曲であると言えるでしょう。

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