ラ・カンタータ!

ロマンチック・レビュー『ラ・カンタータ!』

宝塚歌劇団星組による『ラ・カンタータ!』（La Cantata）は、1994年の夏に宝塚大劇場でお披露目されたレビュー作品で、同年末には東京公演も行われました。この作品は、劇団創立80周年を祝し、星組のトップスター紫苑ゆうのさよなら公演として特別な意味を持ちます。作品の作・演出は岡田敬二が手掛け、全24場で構成されています。

概要

『ラ・カンタータ!』のタイトルにある「カンタータ」は「交声曲」を意味し、音楽を通じて多様な感情を描き出します。本作は、ロマンチック・レビューシリーズ第8弾に位置づけられ、レビューの形式が本格的に確立された重要な作品です。東京公演では一部の脚本が変更され、より洗練された演出が施されています。

各場面の紹介

第一章　オープニング

音楽は吉崎憲治が担当し、振付は羽山紀代美によるものです。この場面では4人のレ・ガールズが華やかに歌い上げながら銀橋を通過し、黒バラの紳士や淑女たちと共に主題歌のバリエーションを披露します。出演者たちの衣装や振付も魅力的で、舞台の雰囲気を一気に盛り上げます。

第二章　ステート・フェアー

南安雄の音楽に合わせたこの章では、フレッドが恋に落ちる瞬間を描いています。恋人たちや親子が楽しく踊る会場に突如雨が降り出し、主人公たちの出会いが運命的に展開されます。

第三章　テンプテーション

ロバートが富豪の妻に誘惑される場面が展開され、吉崎憲治の音楽に合わせ、緊張感あふれる情景が描かれます。心に残る思い出とともに、彼の心情が浮かび上がります。

第四章　シボネー・コンチェルト

ラテンリズムの中でソロやアンサンブルが織りなすダンスが目を引く場面です。多彩な衣装や振付が、観客を楽しませる瞬間を提供します。

第五章　ヒート・オン

ジャズのリズムに乗せて、若者たちが激しいダンスを繰り広げる活気あるシーンが展開され、観客を惹きつけます。

第六章　レ･ガールズ＆ザ･ロケット

68人によるカラフルな衣装を纏ったダンサーたちが、驚きのロケットダンスを披露します。この場面は視覚的にも楽しめるシーンです。

第七章　熱愛のボレロ

情熱的なボレロのリズムに合わせた歌と踊りが、熱い感情を表現します。

第八章　フィナーレ

フィナーレでは、若いカップルが踊り、スターたちが輝かしい思い出を歌い上げる感動的な場面が演出され、最後にパレードが繰り広げられます。

出演者とスタッフ

主要な出演者には、紫苑ゆう、麻路さき、白城あやか、稔幸、真織由季などが名を連ねています。また、スタッフ陣も岡田敬二を中心に、多くの才能が集結し、高い完成度の舞台が実現されています。

『ラ・カンタータ!』は、宝塚歌劇団の伝統と革新を感じさせる作品として、観客から高い評価を受けており、宝塚の歴史の中でも特別な位置を占めています。

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