ラージェーンドラ・プラサード

ラージェーンドラ・プラサード：インド独立の父、初代大統領の生涯

ラージェーンドラ・プラサード（1884年12月3日 - 1963年2月28日）は、インドの初代大統領であり、インド独立運動において重要な役割を果たした人物です。プラサド博士の愛称で親しまれました。

生い立ちと独立運動への参加

カルカッタのプレジデンシー大学を卒業後、弁護士として活動を始めましたが、1916年にマハトマ・ガンディーの不服従運動に共鳴し、弁護士の職を辞して独立運動に身を投じました。ガンディーの思想に深く影響を受け、非暴力・不服従の精神を貫きました。独立運動への参加により、プラサードは4度も投獄されるなど、苦難の道を歩みました。

全印国民会議での活躍

戦後は、全印国民会議（後のインド憲法制定議会）のメンバーに選出され、インドの憲法制定に尽力しました。1932年には、ガンディーと共に拘束されたヴァッラブバーイー・パテールの後任として、全印国民会議派長に任命され、その後も1934年、1939年、1947年の3度にわたり同会議派長に選出されました。独立前の1946年には、食料農業相として、インドの食糧問題の解決に貢献しました。

インド初代大統領として

1950年1月26日、インドは新憲法を発布し、完全な独立を宣言しました。これに先立ち、憲法制定議会は同年1月23日に初代大統領選挙を行い、プラサードを満場一致で選出しました。ただし、この選挙は臨時的なものであり、総選挙後に改めて選挙を行うこととされました。また、憲法制定議会は大統領選出と同時に、正式な立法議会へと移行しました。

1957年5月10日には、大統領再選選挙でN.N.ダース、チョードリー・ハリ・ラームらを破り、再選を果たしました。

1958年9月28日には日本を訪問し、昭和天皇、岸信介首相と会談しました。京都市内も観光し、大谷大学から名誉博士号を授与されています。

人柄と晩年

プラサードは穏健左派の立場を取り、党の長老として左右両派の調整役を担いました。ジャワハルラール・ネルー首相の陰に隠れがちでしたが、非常に穏やかで人間味あふれる人物として知られていました。菜食主義者でもありました。

1962年4月、体調不良のため大統領を辞任し、1963年2月28日、故郷であるビハール州パトナの自宅で生涯を閉じました。

まとめ

ラージェーンドラ・プラサードは、インド独立運動の指導者として、そして初代大統領として、インドの歴史に深く名を刻んでいます。ガンディーの思想を継承し、非暴力・不服従の精神を貫いたプラサードの生涯は、多くの人々に感銘を与え続けています。

もう一度検索