パトナ

パトナ：古代からの交通要衝都市

パトナは、インドのビハール州に位置する州都であり、その歴史は紀元前5世紀にまで遡ります。古代インドにおいて、マガダ国の首都パータリプトラとして、またマウリヤ朝やグプタ朝の都として、政治・経済・文化の中心地として繁栄しました。現在の人口は約168万人（2011年）です。

歴史

紀元前5世紀ごろ、マガダ国の首都パータリプトラが置かれました。その後、紀元前3世紀にはインド亜大陸の大部分を統一したマウリヤ朝、西暦4世紀に成立したグプタ朝も都を置き、古代インド世界の中心都市の一つとして重要な役割を果たしました。

地理と気候

パトナの気候は、雨季（6月から9月）と乾季に分かれています。雨季には降水量が集中し、年間降水量の大部分を占めます。最も暑い時期は5月で、平均最高気温は38℃を超えることがあります。

交通

空港

パトナの空港は、市内の中西部に位置する小さな空港です。滑走路は1本のみで、誘導路はありません。

鉄道

パトナは、インドの鉄道網における重要な要衝です。首都デリーと東部の主要都市コルカタを結ぶ幹線上に位置し、カーンプル、プラヤガラージ、パンディ・ディーンデヤル・アッパダーヤ駅、アサンソルなどを経由する多数の列車が発着します。

中心となる駅はパトナ・ジャンクション駅で、長距離列車が頻繁に発着します。他のインドの大都市と同様に、ターミナル駅の分散化が進められています。コルカタまでの距離は約500km、デリーまでは約1,000km、アラビア海沿岸のムンバイまでは約1,800kmです。

アサンソルからパンディ・ディーンデヤ駅までの路線は、ガンジス川沿いのパトナ経由と、ジャールカンド州を経由するルートに分かれています。歴史的にはパトナ経由が古いですが、距離はジャールカンド州経由の方が短くなっています。

パトナ・ジャンクション駅は1862年に開業した古い駅で、インド各地への列車が発着します。デリーとコルカタを結ぶラージダーニー急行なども停車します。ビハール州内のもう一つの鉄道の要衝であるガヤーとの間を結ぶ列車も運行されています。

パトナ駅の東隣には、2003年に開業したラジェンドラ・ナガル駅があります。デリーと各地を結ぶラージダーニー急行の一部は、パトナ駅にも停車しますが、ラジェンドラ・ナガル駅を発着駅として運行されています。

パトナ駅の西にはダナプル・ジャンクション駅があり、デリーとコルカタを結ぶ幹線上に位置しています。長距離急行列車の中には、パトナ駅などに停車してダナプル・ジャンクション駅を通過するものもあれば、この駅を発着駅とするものもあります。

ガンジス川の対岸には、ソンプル・ジャンクション駅とハジプル・ジャンクション駅があります。極東部の各州へ向かう列車はこれらの駅を経由することが多く、特にハジプル駅にはアッサム州とデリーを結ぶラージダーニー急行の一部が停車します。

2016年には、ソンプル駅の西でガンジス川を渡り、パトナ市街地を結ぶ鉄道道路併用橋が開通し、新たなルートが追加されました。

パトリプトラ駅は、鉄道道路併用橋のパトナ側に位置し、2015年に開業しました。市街地の西に位置し、橋の開通により、一部の急行列車がこの駅を経由するようになりました。アッサムとデリーを結ぶラジダニエクスプレスでも、ソンプル駅とハジプル駅を通過する代わりにパトリプトラ駅に停車する列車が設定されています。

バス

ネパールの首都カトマンズとの間には、多数のバスが運行されています。

パトナは、古代からの歴史と現代の交通網が交差する、インド亜大陸における重要な都市の一つです。

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