ラージャーラーム

ラージャーラームの生涯と統治

ラージャーラーム（1670年2月24日 - 1700年3月3日）は、インドのデカン地方に根ざしたマラーター王国の第3代君主として、重要な歴史的役割を果たしました。彼は偉大なる指導者シヴァージーの息子であり、1689年から1700年にかけて王位を享有しました。

幼少期と王位継承

ラージャーラームは、1681年に父シヴァージーが亡くなると、彼の母であるソーヤラー・バーイーによって王位を推されましたが、異母兄のサンバージーが反発し、母を殺害して王位を奪いました。これにより、彼の王家の間に複雑な人間関係が生まれました。

1689年、サンバージーがムガル帝国の皇帝アウラングゼーブによって処刑されると、ラージャーラームは翌日マラーター王として宣言されます。ただし一部の記録では、彼が王位を得たのはサンバージーの生存中との説もあり、これにより彼らの王家には二重の王位の状態が生じたと言われています。

王国の防衛と戦争

同年の3月25日、ムガル帝国軍が首都ラーイガドを包囲しましたが、ラージャーラームは事前に避難を行い、南方のタミル地域へと逃れました。彼は長い行軍の末、同年11月にはシェンジに到達します。この時期、ムガル帝国を追撃する形で、彼と彼の家臣たちは果敢に抵抗を続けました。

1690年、アウラングゼーブはシェンジに対する包囲を開始し、ラージャーラームは絶え間ない攻防を強いられました。1698年にはシェンジがついに攻略されましたが、ラージャーラームは巧みに逃げることに成功しました。彼はその後、1699年にサーターラーを首都と定め、新たな拠点を築いていきます。

最後の日々

1700年3月3日、ラージャーラームはサーターラーでの包囲戦の最中に、シンハガドの地で亡くなりました。彼の死は王国に大きな影響を与え、彼の息子シヴァージー2世がその王位を継承しました。

死後の影響

ラージャーラームが死去した後、その妃ターラー・バーイーは摂政として息子シヴァージー2世を支え、彼の統治のもとムガル帝国との戦いを続けました。しかし、1707年にアウラングゼーブが死去すると、サンバージーの息子シャーフーが帰還し、王位を巡る争いが再燃します。これにより、シヴァージー2世とターラー・バーイーは敗れ、シャーフーが新たなマラーター王に就任しました。

結論

ラージャーラームの統治時代は幾多の戦争と危機に満ちており、彼の死後も王国内部の権力闘争が続きました。その影響は長きにわたって色濃く、インドの歴史の中で重要な位置を占めることとなります。

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