リアル (F1)

リアル（Rial）について

リアル（Rial）は1978年に設立されたドイツのホイールメーカーであり、1988年から1989年までの短い期間、フォーミュラ1（F1）に参戦していました。チームの本拠地はラインラント＝プファルツ州のフースゲンハイムです。創設者はギュンター・シュミットで、彼は1977年から1984年までATSチームのオーナーも務めていました。

歴史と成績

リアルのF1への参入は、元フェラーリのエンジニアであるグスタフ・ブルナーがチームに貢献したことによります。彼はATS時代からの経験を生かし、リアルのマシンデザインを担いました。その結果、1988年に登場したマシン「ARC1」は、前年型のフェラーリF187に似たデザインを持ち、「青いフェラーリ」と呼ばれることもありました。

1988年シーズン

1988年のF1初年度にはフォード・コスワース製DFZエンジンを搭載したマシンで、アンドレア・デ・チェザリスをドライバーに起用しました。スタートしたばかりのチームはスポンサーが少なく資金面での苦労がありましたが、デ・チェザリスはデトロイトGPで4位入賞を達成します。また、カナダGPやオーストラリアGPではリタイアに終わるものの、好成績を上げる瞬間も見せました。このシーズンはコンストラクターズランキングで9位に位置づけられました。

1989年シーズン

続く1989年には、デ・チェザリスが別のチームに移籍したため、クリスチャン・ダナーとルーキーのフォルカー・ヴァイドラーの二人のドライバーが加わりました。この年も前年の成績に基づく予備予選免除特権を一部享受しますが、ヴァイドラーは予備予選を通過できずに苦労しました。新しく開発されたARC2マシンは、過去のシャシーからの進化版であり、エンジンはフォード・コスワース製DFRです。

夏季のアメリカGPでは、ほとんどの車が完走する中、ダナーが4位に入賞し、シーズンのハイライトを迎えましたが、それ以外は成績が芳しくありませんでした。ヴァイドラーは第10戦を最後にチームから退団し、その後のドライバーも予選通過できない状態が続きました。

シーズン終了後、ギュンター・シュミットは「1990年用の新しいマシンを作る力がない」とし、1991年には復帰を目指したいと表明しました。しかし、具体的な移転や復帰は実現しませんでした。

特記事項

1989年のシーズンには、服飾デザイナーのコシノジュンコがスポンサーとして加わり、「Mr.JUNKO」のロゴをマシンに配したことが話題となりました。コシノは、チームのユニフォームやウェアなどを提供しました。特に、彼女が初めて観戦したアメリカGPでは、ダナーが4位入賞を果たし、貴重な3ポイントを獲得しました。

終わりに

リアルのF1参戦は短命でしたが、チームがもたらした数々のエピソードや成績は、多くのファンに記憶されています。

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