リオの若大将

映画『リオの若大将』の紹介

『リオの若大将』（リオのわかだいしょう）は、1968年に公開された加山雄三主演の日本映画で、若大将シリーズの第12弾にあたります。この作品は「若大将シリーズ・学生編」の締めくくりとして位置付けられており、リオデジャネイロを背景にしたロケーションが特徴です。公開は1968年7月13日で、製作は東宝、同時上映された作品には内藤洋子と黒沢年男が主演した「年ごろ」があります。

あらすじ

京南大学のフェンシング部で主将を務める田沼雄一（加山雄三）は、大型船舶設計者である教授の付き添いでブラジルに出張します。出張先で、日本の旅行代理店に勤める押田澄子（星由里子）と運命的な出会いを果たし、次第に互いに惹かれ合う関係になっていきます。

しかし、日本に帰国すると、雄一はフェンシング部や、自身が率いるバンド「ランチャーズ」の活動に忙殺され、澄子と会う時間がなかなか取れなくなります。そんな中、雄一の親友である石山新次郎（田中邦衛）から、澄子やバンドについての邪魔をされるようになり、さらにブラジルの工場長の娘である江美子（中尾ミエ）も雄一に好意を抱くようになります。このような状況の中、雄一はどのように恋愛を成就させていくのでしょうか。

映画制作の舞台裏

本作の撮影において、リオデジャネイロでのロケーションは非常に重要でした。しかし、予算や日程の関係で、主要キャストの星由里子のリオでのシーンはすべて日本国内で収録されることとなりました。フェンシングのシーンは、当時の選手である藤木悠が監修を担当しており、リアリティを追求した映像になっています。

スタッフとキャスト

映画の製作には、多くの才能あるスタッフが関わっており、製作を藤本真澄と大森幹彦が担当、監督は岩内克己が務めました。脚本は田波靖男が手掛け、映像美を引き立てる役割を果たしたのが撮影監督の斎藤孝雄です。また、音楽には服部克久が参加し、作品に華を添えています。

キャストには、雄一役の加山雄三のほか、田中邦衛（青大将）や中尾ミエ（江美子）などが登場し、ドラマを盛り上げます。特別出演として宮口精二や今東光も加わり、物語を多彩に彩ります。

音楽と楽曲

音楽のセンスが光る本作では、いくつかの楽曲が重要なシーンで使用されています。特に「ある日渚に」はリオのホテルでの再会シーンやエンディングに使われ、ロマンチックな雰囲気を醸し出しています。また、「シェリー」や「ロンリー・ナイト・カミング」などの楽曲も印象に残るものばかりです。このように音楽面でも多くの工夫が凝らされた作品です。

『リオの若大将』は、その映像美や音楽、そしてストーリーが織りなす恋愛模様が観客を魅了する作品であり、映画史に残る名作の一つです。

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